文科省が来年度から、大学の新入生に高校時代の授業内容を復習させる補修授業などを行なう大学に対して、年間2000万円以内の補助金を1~3年交付するという方針を発表した。
これは文系というより、主に理系が対象なのだろう。平成18年度では、33%(234校)の国公私立大学で補修授業を実施しているとのことである。
確かに推薦やAO入試で一般入試を経験せずに入学してくるため、勉強量が不足している部分もあるだろう。
多様な学生を入学させる趣旨のAO入試、高等学校がその生徒の優秀さを担保して推薦する推薦入試、そのほか自己推薦などもあるが、いずれにしても大学側が学力とは関係なしに容易に生徒を受け入れてきた結果が学力低下を招いている部分もある。確かな証拠はないが、募集定員に慢性的に達していない大学などは、こういう傾向が強いのではないか。
各大学が、定員の維持のために学力の低い学生を容易に受け入れてきた責任ともいえる。補助金よりもまずは、入試制度の在り方が先に議論されても良いのではないか。入口を厳しくすれば、生徒が集まらないという声もあろうが、そういう大学を全て救っていては、根本的な解決にはならない。今では大学が最高学府であるという権威は死んだともいえるし、ユニバーサルアクセス状態である。
学力が低い学生を平均的に引き上げることは、公教育ではそうするべきだと思うし、それが国の勤めではあるが、大学、特に私立大学において、その必要があるのか。それはそれぞれの大学の入学試験という段階で、自分の大学が求める学力を測っているわけである。にもかかわらず、高校補修の授業を行なうこと自体どうなのかと思う。
ついてこれない学生を切り離すことはダメだと思う。その学生を入学試験で「合格」させたからには、きっちりと面倒を見る必要がある。しかし、補助金交付の前にやるべきことはまだあるのではないか。
補助金は税金である。国民が納得するか。それが問題。