Q

"現代文は解き方がわかると伸びる"と言われますが、3つ質問です。
・その解き方とは何なのですか?
・その解き方も誰かのかんがえにすぎないのではないのですか?
・その解き方を利用して、全ての文章に通用できるのですか?

 

A

下の回答者とのやり取りを拝見し、気の毒になり、回答します
あなたは、ふつうに甘いセールストークに絡めとられてしまう人のようです
若い人がカテマスを盲信するのは致し方ないでしょうが、それにしてもです
つぶやきは以上にして以下回答します
現代文に限らず、国語と英語の試験には、共通した解き方はあります
あなたがそれを現代文に限定してお考えになってみえるのは、英語や古典と現代文に相違があると誤認されているからです
確かに英語や古典には特有の難しさはあります
しかし現代文でも基本は同じです
知らない抽象的な単語がキーワードになっている本文を読まされれば、英語も古典も現代文も同様に困る訳です
両者を別物と考えるのが、まずは誤りです
解き方は基本、以下の通りです
・本文と設問文をそれぞれ読み、大意と論旨を理解する
・設問の問うている内容を正確に理解する
・設問の問うている事に、本文をふまえて(根拠にして)解答する
これだけです
以上は、現代文の問題を作成する者ならば全員がふまえる作問のセオリーです
評論・小説・実用的文章、その他のジャンル、例外はありません
以下補足です
この国の大学受験は特異で、客観式テストが主流である大学入試は、世界に類例がありません
日本の受験産業も特殊で、塾や予備校、受験参考書もガラパゴス的に発展しています
結果、日本では劣悪な中等高等教育が蔓延し、国力衰退の一因となっています
あなたのこのご質問はそれを如実に表している一例です
最初に「甘いセールストークに絡めとられてしまう」と書いた理由です
あらゆる現代文をふつうに論理的に読める力を目指さず、それを回避し、どこかの誰かが知っているらしい「解き方」があると妄想し、それを利用して稼ぐ業界のカモになってしまっています
私が高校時代に知った参考書は高田瑞穂著『新釈現代文』でした
今は復刻が出ているようです
以来半世紀近く、その序文にあった「たった一本のナイフ」を磨いて今の私があります
田村や出口といった前世紀末以来の現代文有名講師たちの所説も基本は高田の廉価版、劣化コピーに過ぎません
高田は「小説、随筆、説明文、論説文で違ってくる」などという馬鹿げた事は書きませんでした
複数の方法があるなら、それだけセールスは伸びます
それにからめとられる愚か者が多ければ多いだけ、マーケットは拡大します
ダイエットや健康サプリメント、美容業界などと理屈は同じです
しかし断言しますが、物の道理は一つ(その仮説体系を科学といいます)であり、言語表現を正しく読む方法も一つ(論理的に読む)です
私は今英語を中心に教えていますが、英語も国語も読み方は同じ、学習法も同じで、何の違いもありません
言語が違うだけで、言語表現の読み方に違いが生まれる筈はないのです
それが物の道理です
最近も河合塾の共通テスト模試と記述模試の第一回の英語と国語を生徒と共に読み解説しましたが、以上の認識を新たにしています(河合塾の模試の質の高さも再認識しました)
「この世のどこかに小利口な方法なるものがあるらしく、それを知れば伸びるらしい」は妄想であり、それにすがる怠惰な愚者が受験産業にカモられ、科学や叡智からほど遠いところで大量生産され社会に充満し、衰退国家がますます沈没する、そんなこの国の惨澹たる現状が如実に見られるのがこの知恵袋です
それを象徴するご質問に回答しました