Q

小筒を「ささえ」と読む由来はなんですか?

 

A

基本的に考え方が誤っています
「ささえ」という和語が先にあり、それを表記する時に、そのものの意味に相当する漢字「小筒」をその和語に宛てて表記したのです
結果として後世の読者がその表記「小筒」を「ささえ」と読むに過ぎません
「ささえ」には「竹筒」「篠枝」という表記もあります

アト「さてさて、これは似たやうな事ぢや。某は、大和の国に酒を商売してゐる者ぢやが、八幡宮の御蔭で次第に富貴するによつて、お礼かたがた毎年御神事に筒に入れて造酒を捧ぐる事でおりやる。」
小アト「いづれこれは言ひ合はせたやうな事ぢや。さりながら、そのささえを筒と仰るは合点が行かぬ。」
アト「これは筒とこそ云へ、竹筒(ささえ)とは申さぬ。」
小アト「いや、竹筒(ささえ)とこそ云へ、筒と仰るは不審な。」
アト「いや、これは筒と申す。」
小アト「いかないかな、竹筒(ささえ)でおりやる。」
(筒竹筒(つつささえ)和泉流狂言)

「それを今一々列記する事は出来ない。が、彼の篠枝(ささえ)の酒を飲んで、後へ尿を入れて置いたと云ふ事を書けば、その外は凡そ想像される事だらうと思ふ。」
芥川竜之介「芋粥」

 

以下補足します
【「酒を入れる携帯用の竹筒」をなぜ「ささえ」というのか】は語源です
語源については私は知識もなく興味もありません
私の回答は漢字と訓読みの関係だけです

 

返信A

「小筒・竹筒(ささえ)」は義訓の一種です
義訓(ぎくん):漢字漢語の意義によって訓を当てるもの。「暖(はる)」「寒(ふゆ)」「未通女(おとめ)」などの類。(デジタル大辞泉)

今読んでいる本に以下の説明がありました
垣衣(つた):蔦は、垣などに生ひ広ごりて、衣の身を覆ふ如くなるより、義訓として「垣衣」の字を充つ。(「源平盛衰記」巻17「実定上洛」頭注)