Q

古文についての質問です。
なりひさこと言ふ物を人の得させたりければ、ある時、木の枝にかけたりける【が】、風にふかれて鳴りけるを、かしかましとして捨てつ。
この【が】は主格だそうです。解説には「もの(なりひさこ)」を補って「〜が」と訳せる、と書いてありました。
ただ、私は同格じゃないのかな?と思いました。「木の枝にかけたりける」の後ろだけでなく「鳴りける」の後ろにも「なりひさこ」を補えると考えたからです。
同格じゃない理由を教えていただきたいです。

 

A

たしかに主格でも説明できますし、同格という説明も可能です
しかし、接続助詞と説明するのがふつうで、私はそれを選びます
次の読点の直前の「を」も同様です
格助詞として説明もできますが、ここの「が」と同様に接続助詞と説明すべきです
両文の共通点は、ともに主語を明記していない点です
これは古文によく見られる、文をだらだらと続けていく書き方です
前文が後文の主語にもなり、あるいは目的語にも見えるし、説明もできます
しかし、単に文を切らずにだらだらつなげて書いたのであり、結果として前文が後文の主語となったり目的語に相当しているだけだと説明する方が自然です
活用語に接続する「が」「を」「に」などは接続助詞を疑うのが基本で、接続助詞として説明できればそれを選ぶのがふつうです
あなたの御覧になっている教材は、その意味で疑問で、学習者を迷わせます
不適切な説明をする教材は、国語では決して珍しくはありません
ちなみにどういった、どこの教材ですか、よろしければ返信もしくは補足でお教えくださいますか