Q

大和物語157段の最後に
ものごとくあからめもせで添いゐにける
とありますが、なぜ男は浮気心を捨てて元の女の方に戻ったのですか?わかる方いたらお願いします

 

A

女の詠んだ歌を聞いて、その歌に表された女の思いに心を動かされたからです
ところで、「歌に表された女の思いに心を動かされた」ことが理解できないなら、諦めましょう
こういうことを理解できるには、ある程度人生経験(男女経験)を積んでいる必要があります

 

大和物語 百五十七段
下野の国に男女すみわたりけり。としごろすみけるほどに、男、妻まうけて心かはりはてて、この家にありける物どもを、今の妻のがりかきはらひもて運び行く。心憂しとおもへど、なほまかせてみけり。ちりばかりのものも残さずみな持て往ぬ。ただのこりたるものは、馬ぶねのみなむありける。それを、この男の従者、真楫といひける童を使ひけるして、このふねをさへとりにおこせたり。この童に女のいひける。「きむぢも今はここに見えじかし。」などいひければ、「などてかさぶらはざらむ。主おはせずともさぶらひなむ。」などいひ、立てり。女、「ぬしに消息きこえむは申てむや。文はよに見給はじ。ただ、言葉にて申せよ。」といひければ、「いとよく申てむ。」といひければ、かくいひける。「『ふねも往ぬまかぢもみえじ今日よりはうき世の中をいかでわたらむ』と申せ。」といひければ、男にいひければ、物かきふるひ去にし男なむ、しかながら運びかへして、もとの如くあからめもせで添ひゐにける。

 

質問者からのお礼コメント
ありがとうございます!