Q
(削除されたため詳細不明。以下概略)
夏目漱石「こころ」下45
【私はとうとう帽子をかぶって表へ出ました。そうしてまた坂の下でお嬢さんに行き合いました。何にも知らないお嬢さんは私を見て驚いたらしかったのです。私が帽子をとって「今お帰り」と尋ねると、向うではもう病気は癒ったのかと不思議そうに聞くのです。私は「ええ癒りました、癒りました」と答えて、ずんずん水道橋の方へ曲ってしまいました。】
【何にも知らないお嬢さん】の「知らない事」を二つ以上挙げてほしい(学校の課題)。
A
一つ目は【その日の朝、「私」が仮病を使ったこと】です
《一週間の後私はとうとう堪え切れなくなって仮病をつかいました。奥さんからもお嬢さんからも、K自身からも、起きろという催促を受けた私は、生返事をしただけで、十時頃まで蒲団をかぶって寝ていました。(中略)身体に異状のない私は、とても寝る気にはなれません。顔を洗っていつもの通り茶の間で飯を食いました。その時奥さんは長火鉢の向こう側から給仕をしてくれたのです。》(下44)
二つ目は【「私(=先生)」と自分(「お嬢さん」)との婚約が成立したこと】です
《私は突然「奥さん、お嬢さんを私に下さい」といいました。(中略)「よござんす、差し上げましょう」といいました。(中略)親類はとにかく、当人にはあらかじめ話して承諾を得るのが順序らしいと私が注意した時、奥さんは「大丈夫です。本人が不承知の所へ、私があの子をやるはずがありませんから」といいました。》(下45)
大きな意味のある「お嬢さん」の知らないことは、もうないように思います(挙げようと思えば、【「私」が食事後に煙草をふかした事】【「奥さん」が自分を「父親のない憐れな子」と言ったこと】など、いくらでも挙げることができます)