今日は、ひさびさにお外に行ってきました。
(仕事とか以外で外出した、の意)
といっても半分以上はもっか構想中のプロジェクトのリサーチみたいなもんです。
場所は多目的スペース、シンフォニースペース。
(コンサート、映画上映、現代音楽上演、演劇等いろいろやっています。ウェストサイド・アップタウンの小さな空間。)
本場フィジカルコメディーの舞台を見てきました。
地元ニューヨークに拠点を置く、”パラレルイグジット”(Parallel exit )というグループです。
フィジカルコメディーとは、ほとんど台詞無しで表情や体の動きで作り上げる笑い。
おもにどたばた劇なのですが、みなさん芸達者でコメディーのみでなく楽器演奏やタップダンスもお見事。
一時間程の舞台でしたが、ときには舞台から客席に降りてお客さんをからかってみたり、タップダンスの時も”正当派”タップでなく、常に調子はずれのどじなタップダンサーがまじってとぼけたダンスっぷりで笑いを振りまいたり。
(これもかなり計算された動きなのでしょうが。)
わたしは衣装が素敵だと思いました。全員男性だったのですが、ちょっとレトロな感じを思わせるスーツとかネクタイ、燕尾服などが主。さりげなくお色直しもあったりして。帽子やネッカチーフなどの小道具も忘れずに。
こういう男性のファッション、(アメリカなんで、良くみる男性のファッションはTシャツにジーンズが圧倒的な日常)エレガントで実に素敵です。
音楽はアーリージャズとか、メンバーの一人がときどきエレピで生演奏して、他のメンバーがそれにあわせておもしろい動きをしたり、タップをしたりしたラグタイムがほとんど。
これらが定番のようですね。ロックっぽいリズムをドラムで演奏して、その合間にすごいタイミングで変な音を炸裂させて笑いを取ったりする場面も多かったです。
文化の違いでしょうか,こうしてみてみると、アメリカ人の役者さんたちのパワーに圧倒されてしまいました。底抜けに明るい。伝わってくるのはいかにもステレオタイプにある陽気なアメリカンて感じのエネルギーです。
日本人や、ヨーロッパの文化圏の人たちがやると同じスラップスティックでもまた違う味になるかも、と思ったりして。
でもぱっと見、おばかな事を繰り広げていても、ダンスのこなしやフィジカルなぼけや突っ込みのタイミングはばっちり。プロだなーと感心しました。舞台にかなり近い席で見たのでわかりましたが、みなさん汗だくになって真剣勝負。
ブログでも以前御紹介したコメディエンヌの友人とコラボで、私の音楽を使って彼女の演劇(フィジカルコメディー)を生演奏で上演しよう、みたいなことを計画中でして、今日はそのリサーチでもありました。
彼女の持ち味もあるし、音楽にしても、コメディーのスタイルにしてもこのまんまコピーするわけにはいかないけど、とても参考になりました。
音楽は、そうですね、個人的にはクラシックな室内楽セッティング、弦楽カルテットとかピアノトリオなど意外とあうのじゃないかと思ったり。
コメディエンヌの彼女も同じ意見。
クラッシックのシリアスなイメージのミュージシャン達がフィジカルコメディーの役者にからかわれたり,つっこまれたり、などの掛け合いがあると面白いのではないか、というアイディアも。
実はこれに近いことをニューヨークフィルでやってました。
数年前にリゲティーのハチャメチャな喜劇的オペラをリンカーンセンターで上演した時、オーケストラも舞台上で演奏するセッティングでしたが、
喜劇俳優的な役割のオペラ歌手から劇中であの指揮者”アラン・ギルバート”さんが
”マエストロ、マエストロ!”とかいって声をかけられ、からかわれてました。
オーディエンスも大受け。
あれは絶対アドリブに違いない。
リゲティのハチャメチャオペラ"Le Grand Macabre"(邦訳がわからんのです。)
ニューヨークフィルのマエストロ、アラン・ギルバートがいじられ役に!!
アイディアは面白いですが、この調子で行くと、(ピアノトリオセッティングなどになった場合特に)わたしがおそらくピアノ奏者になるでしょうから、その場合わたしがぼけ役などをして、コメディエンヌデビューになるのだろうか。。。
(わたしにそんな素質は無いような気がするのですが。もしその時生徒が来ていたりしたら、私のせんせいっておばかなのねーとかいってイメージが崩れるのでは,と心配したりして。)
とはいっても、まだまだリサーチや構想を練る時間が必要ですが。
これは同じプログラムのビデオ。ライブはもっともっと迫力があります。