ブッククラブの小さなゲスト | ぞうの みみこのブログ

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子供読書


子供読書



今、友人が立ち上げたブッククラブに二週間に一度の割合で参加している。共通の本を読んで、それに関して話し合ったりディスカッションするのはかなり楽しい。

場所もスイーツのいっぱいあるカフェだから和気あいあいとした雰囲気。

このなかに毎回来ている小さなゲストがいる。常連メンバーのノアの娘さんだ。



みた感じ5~6歳だろうか。ここまで読んで、”大人の集まりに小さな子供を連れてくるなんて、非常識な!”



と思われる方もいるかもしれないが、私を含め、他のメンバーは自然と彼女の存在をあたたかく受け入れている。



それには理由がある。彼女がとっても静かだからだ。二時間近くに及ぶディスカッションや大人の会話。



ふつうそれくらいの年齢の子だったらすごく退屈になるだろうに、いつもお父さんの横に静かに座っている。



途中で大人の会話に割って入ったり、”ねーおとーさーん”などとお父さんに話しかける事も無い。



それがわかってノアも連れて来ているのかもしれない。あるいはこの日はどうしてもベビーシッターの都合が付かないとかの事情があるのかも。



(ニューヨークでは法律で,たしか13歳未満の子供はいつも大人が一緒にいなくてはなりません。だからべビーシッターを頼むのは至極普通の事。)



でも彼にはもっとしっかりした考えがあるらしい事がわかった。



前回のミーティングで、ディスカッションに入る前,みんなで気軽に世間話をしていた。

ノアは娘さんの為にクッキーをオーダー。

彼女はいつものようにお父さんの隣にちょこんと座って、人形型のチョコレートを挟んだクッキーを、ミルクと一緒に黙々と食べていた。



そんな彼女を見やりながら,ノアが言う。


”僕はね,この子に条件付けをしているんだよ。ブッククラブに来ると、スイーツが食べられる、すなわちブッククラブは素敵なところだ、と言う風にね。”



(おお、今時のニューヨークの孟父三遷、って感じですか。教育的でなかなかよろしい!)


するともう一人の常連紳士が言うには、



”僕は家の猫にそれをやったよ、芸を仕込むときにさ,僕がラララーとかいって一節歌う,

ブレイクの所で、ささっと餌をあたえて、ミャオ、と言わせるように仕込む。

すぐにまた僕が歌い始めて、またブレイクの所で、餌を与え,ミャ!と泣かせる。これで、絶妙

のタイミングでぼくの歌に合わせて、ミャ!と合いの手をさせる事に成功したよ。”



”あはは、そうですか。。。”


(人様の娘さんを猫の調教と比べるなんて失礼ではないんかい!!)



とはいっても、子供に取っては長丁場のミーティング、途中で体をむずむず動かしたり、揺すったりすることも。ごく自然な動きだ。

でもホンのちいさな動きなんだけど、それで彼女の体が、隣に座っていた私に触れた事があった。



すると即座にノアが気づいて、


”だめだよ、静かに座っていなければ。おねいさんにあたっちゃったじゃないか。”



と娘さんに言って私には、
”ごめんね” と謝る。

彼女にそそうが無いように、とても気を使っている。



帰るときにはたいてい娘さんにトイレに行くよう促すのだが、

あるとき、彼女のすぐ前にトイレを待っていた女の人を遮るようにして,彼女がトイレに行こうとした。



わざと、とかじゃなくて,気がつかなかったのだろう。

それをみていたノアが


 ”あの女性がさきに待っていたんだよ、順番を守ろうね。”

と、彼女を引き止め、

その女性には

”すみません。”と謝っていた。



わたしが以前、別の場所で体験した似たような状況で見たバカハハとは大違いだ。



そのときはトイレを待つ列で、自分の子供が大人の女性を抜かしてトイレにダッシュ、その母はにこにこと子供の様子をみながら、他の大人と話に興じていた。



ノアの娘さんはその子よりずっと小さいのに。おとうさんがすごく注意をしている。



前回のブッククラブが終わって帰るとき,ノアに


 ”とてもお行儀がよくて、かわいい娘さんですね。”

と言ったら、

 ”そう、そう思う? ありがとう。”

と言って、顔がぱーっと明るくなった。