先日、ガーシュインホテルでソロリサイタルを開いた友人のピアニストとチャイナタウンでお茶しました。
今、彼女はベートーベンのソナタのレパートリーを深める事に専念中で、
話題は自然とベートーベンへと。
以前、”ベートーベン”というクラスを取って、その時テキストとして使われていた彼の伝記、良かった、というとそれは”読んだ事無い”と言う事だったので、さっそく出版社などをお知らせする事になりました。
また、以前お貸ししたフランス系カナダ人ピアニスト、
ルイ・ロルティ(Louis Lortie)のベートーベンのピアノソナタのCDを気に入っていると言ってくれ,嬉しかったです。わたしも彼の軽やかなタッチや音色が好きです。
彼はベートーベンのピアノソナタを全曲録音しています。
ベートーヴェン〈上〉/メイナード ソロモン

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ベートヴェン〈下〉/メイナード ソロモン

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Beethoven/Maynard Solomon

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わたしがクラスで読んだのは一番下の英語のエディションです。
ソロモン氏のこの伝記は、ベートーベンの音楽や生涯、取り巻く社会の状況などをバランス良くまとめてあり、米国のいろんな大学でおもに西洋音楽史やベートーベン研究のクラスのテキストとして使われることにもうなずけます。
だからといって音楽専門用語がたくさん使われている訳でもなく、クラシック音楽好きの多くの人が読んで楽しめるようにもなっています。
また、同じクラスでプロフェッサーが”史実に基づいていない所や間違いはあるけれど”という前置き付きで紹介されていた映画、”不滅の恋”(Immortal Beloved)も面白いかもしれません。
生涯独身だったベートーベンが”永遠の恋人”と呼んでラブレターを書いた女性は誰だったのか、がテーマです。
ベートーベンはあのゲイリー・オールドマンが演じています。
(すごいですね、ハリーポターのゴッドファーザーである魔術師から、バットマンの真面目な警部さんから、いろんな役をこなしている。芸達者ですな。)
プロフェッサーによると、ベートーベンが愛していたとされる女性は、メインストリームのベートーベンの学者達が今ほとんどこの女性だろう、とみとめている人が存在している。
でも映画ではその女性と全く違う女性を”永遠の恋人”として配している。また、それ以外にも史実と異なっている所があるし、
全体的にドラマチックに作りすぎているきらいがあるけど、当時のサロンコンサートの描写や、文化や時代の雰囲気をよく伝えていている、との事です。
あまり文字どおりに”ベートーベンって、こんな人だったのねー,やだー” などととらえず、作品としてみると面白いかもしれませんね。