旧知の友人である、アフリカン・アメリカンのカサウンは大の読書家。もともとは私が学部時代の、作曲のクラスで、同じ師を持つ兄弟弟子として出会ったのだが、学校以外で彼とばったり出くわす場所は、当時まだランドマーク的建物として地元のみなさまに好かれていた大型ブックストア、Barnes&Noblesの66丁目店舗のカフェでだった。
(今はクローズして、ファッションモール、Century 21になっています。)
いつも音楽の専門書や哲学、歴史などの難しそうな本を読んでいて、同じくカフェで出会っても、よくお気軽なファッションやゴシップ雑誌や、大人の癖してハリーポターなどを読んでいたわたしとは大違いであった。
そんな彼がとうとう自分のブッククラブを立ち上げ、ときどきミーティングやディスカッションに使う本の紹介のメールを送って来てくれていたのに、仕事のスケジュールが合わず、行けずじまいだったのだが、次回から音楽教室のスケジュールも変更して出席できそうだ。
場所はコロンビア大学のすぐ近くの、スイーツで有名なカフェ。
いつ行っても、ノートブックパソコンを開いて勉強してる風な学生や、デートっぽいカップルであふれている。そういえば友人で物理学者のPさんとも行った事がある。
確かすぐ前の集まりの本はシェークスピアのマクベスだった。となると次もシェークスピアでくるのかしらん。と興味しんしんでメールを開くと、何と”アメリカのテスタメントとも称されるこれらの本で語り合いましょー”とかいう文章とともに、
トーマス・ペイン コモンセンス
The Federalist paper, Anti Federalist paper
などのタイトルが目に飛び込んで来た。おー、いきなり来ましたか。独立記念日の直後にはグッドタイミングかもしれないが、いかんせん、英語が第二言語で、それでまたアメリカ合衆国の歴史にも造詣がふかいとはまったく言えない私には敷居が高すぎるかも。トーマス・ペインなんて、確か大昔の世界史で習ってなんとなく名前を覚えてるくらいだ。でもなんとか気を取り直して、仕事帰りにミッドマンハッタンのニューヨーク公立図書館でその本を借りて来た。
日本ではこのようなブッククラブ(読書会といってもいいかも)は盛んなのでしょうか。こちらでは主に社会人がカフェなどで集まり、定期的に特定の本を題材に語り合ったりするサークルのようなもので、たくさんあるようです。
ブッククラブと言えば、それを題材にしたチャーミングな映画があります。
”ジェーン・オースティンブッククラブ”
これは英国の作家、ジェイン・オースティンの作品に焦点をあてたブッククラブの映画です。映画ですから、かなりドラマチックなストーリーにはなってますが、これをみると、ブッククラブの雰囲気がわかるかもしれません。ジャンルとしてはラブコメのような感じです。会話が多く、英語リスニングの勉強にも良いと思います。