春めいてきた街を歩いていて、プリザーブドフラワー
がウィンドウディスプレイに飾られた店をみて、
一挙に記憶が10数年前に飛んでしまった。
日本のピアノ教室で教えていたとき、その講師リサイタルで、
当時の生徒だった茉莉子ちゃんから、プリザーブドフラワーの花束をいただいた。
バラの渋いピンク色は、シャイでちびまる子ちゃんのような、
どこかとぼけた味の或る茉莉子ちゃんの性格を現しているように
おもえた。プリザーブドフラワーに加工する課程でそのような深みの
ある色に変わったのかもしれないが。
さっそく、彼女の好きそうなくまのプーさんの
絵はがきを選んでお礼をしたためた。
生花と違ってずっと長持ちして、
しばらく自宅のピアノの上に飾っておいた。
あのころ、小学生になりたてだったから、もう
大学生かもしれない。ピアノは続けているだろうか、
やめてしまっただろうか。私の事は忘れてしまっているだろうか。
別にそれでもいっこうにかまわない。
ただ、彼女の音楽への愛が、当時のようにずっとしんしんと
残っている事を、切に望む。
プリザーブドフラワーを見て、
感慨に耽った私であった。
プリザーブドフラワー
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