映画の話 Hugo (ヒューゴの不思議な発明) | ぞうの みみこのブログ

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一番最近みた映画、”Hugo"(2011) 邦題:ヒューゴの不思議な発明

1930年代のフランス。主人公、ヒューゴはパリに一人で住む孤児。

ひょんなことから、駅でおもちゃの売店を営むがんこなおじいさん、
ジョージや、その名付け娘(goddaughter)のイザベラと知り合うが、
あるきっかけに、そのおじいさんは、かつて一世風靡した伝説的映画監督、
ジョージ メリエス(George Melies)だと知る。

世の中に忘れ去られ、自分自身も
過去の栄光を忘れて、隠遁者のように生きて行こうとするジョージ。
だが、ヒューゴの亡きお父さんとのつながりを探す冒険が、
結果的に、ジョージをふたたび芸術家として世の表舞台に
出すこととなる。

ヒューゴは創作上のキャラクター。メリエスは実在の人物。
ベン キングズレーが演じてます。彼の存在感は言わずもなが。
脇役のサーシャ バロン コーエンがいい味出していました。

フランスが舞台なのに、なんで全員が流暢なブリティッシュアクセントの英語を
しゃべるんでいっ!というつっこみは、まずさておき、柔らかな照明で引き立つ、
中間色をふんだんに使った映像が美しい。シネマトーグラフィーと言うらしいですな。

涙あり、笑いありで結果ハッピーエンド。いかにもハリウッド、さもありなん的
チェースシーンや、家族の絆は大切なのさ、的なメッセージを盛り込んだ
チャーミングなこの作品は、家族で見るにいいかもしれませんね。
別にファンタジー系のストーリーではないけど、特撮を駆使した
映像もあるので、そういう点では、ハリポタとかが好きな世代にも
喜ばれそうです。

心に残ったシーンは、主人公のヒューゴと、ジョージの名付け娘、イザベラが
大きな窓に映し出されたパリの夜景を前に、二人きりで会話する所。

”すべてのパーツは、なんらかの目的があるのよ。”
”だから、壊れた機械をみると悲しくなるんだ。こわれたために、
その目的がはたせなくなってるから。”
”あなたの目的は何?なにを直そうとしているの?”

私の記憶が確かなら、こんな会話でした。考え方によっては
かなり大人な、哲学的な会話ですよね。映画の中の設定では、
彼らは10~12歳くらいのはずですが。そして、思い出したのが、
フェデリコ フェリーニの”道”という映画です。
("La Strada" 1954)

主要キャラクターの一人、”フール”が、ヒロインを慰めるために、
そっくりなことを言ってるんですな。
”すべてには、役目がある。そのへんに落ちてる
石ころにだって役割があるんだよ。”

これは単なる偶然だったのか、それとも監督(マーティン スコセッシ)
のフェリーニへのオマージュだったのか。

しかし、フィルムスコアを聴いてると、ハリポタのそれと
そっくりに聴こえてなりませんでした。大編成のオーケストラ、
分厚い弦で奏される、上昇、下降するうねるようなアルペジオ、
チェレスタのアクセント、、、ヨーロッパ舞台で、
子供が活躍、ちょっと昔が時代設定の映画につかわれる、
トレンド的サウンドとなっているのでしょうか。