寿司の話題が出たところで、
大学時代の友人が経営している寿司屋を紹介しよう。
東京.大井町にある「銀寿司」だ。
ここの寿司屋に行き始めたのは、
パパがまだ学生の頃だった。
その頃は大井町駅も古い駅舎で、
そのすぐ近く、駅を降りるとすぐそばの場所に店があった。
無口な寿司職人の親父さんと
息子の友人たちには優しくて愛想が良いお母さん。
パパ達がお邪魔すると、息子の友人優待価格。
おいしい握りを食べさせてくれるだけでなく、
好きなだけ飲ませてくれた。
社会人になったらお客さんとして
元を取らせてもらうから先行投資ですよと笑っていた。
卒業とともに新潟に帰ってきてからは、
恩返しもできぬまま、しばらくご無沙汰していた。
今から10年も前になるが
東京に出張した時久々に行ってみた。
お母さんは早くに他界し、親父さんは引退していた。
学生時代はあれほどまでに頼りなかった友人が、
立派に店主をやっていたのが印象的だった。
代替りした彼の店にもしっかりとお客さんがついていた。
無口なお客が静かにカウンター席に着く。
店主が「いつもの?」と聞くと、調子2本とコハダが2貫。
あっという間に勘定だ。
こういう粋な常連客もいるのだ。
彼の握るいくらの軍艦巻きは少し変わっている。
きゅうりをとにかく薄くスライスしたものを
きれいに並べたところにウズラの生卵を載せる。
見た目はとても美しく、彼の得意な細工のひとつだ。
学生の頃、生意気にもパパは彼にこう言っていた。
「通はさぁ、いくらだけでいいんだよ。」と。
今は、東大井5丁目14-14に移転したとのことだが、
あいつ元気でやっているだろうか?
この記事をご覧の方で、お近くの方がいらしたら、
一度行ってみてくださいな。
あいつの店だからかしこまった感じではなく、
値段はそこそこリーズナブルなはずだから。