『徳をもって怨みに報いよ』蒋介石の恩を振り返る。 | 加納有輝彦

『徳をもって怨みに報いよ』蒋介石の恩を振り返る。

『徳をもって怨みに報いよ』蒋介石の恩を振り返る。

9月6日、幸福実現党は、「台湾を二度と見捨てない。いまこそ、日台同盟を。」の党是の下、台湾大学教授協会(TAUP)等と共に、台湾立法院で記者会見を開き、台湾関係法「Taiwan Relations Act(幸福実現党試案)」の意義を説明し、日本政府に対し、国内法によって台湾との関係を合法化するよう求めました。

以下、背景事情について考えておきたいと思います。個人的な考察です。

1972年当時、田中角栄総理(1918- 1993)は日中国交正常化に前のめりであった。大平正芳外務大臣(1910 - 1980)は、台湾との国交断絶やむなしという見解を事前に表明していた。

 日本に対する不信、混乱の中で、椎名悦三郎氏(1898 - 1979)が特使として訪台し、「台湾との外交関係は維持する方向でやっていく。」とほのめかし、親台湾派は胸をなでおろした。

 しかし、「椎名発言」の舌の根の乾かぬ内に、田中内閣は、日中国交回復をなし、台湾(中華民国)と断交した。

日本が一方的に台湾を断行した事について大川隆法総裁先生は、「中国の顔色をうかがって、台湾との国交を断絶した日本の国家は情けない。」と台湾における講演会で発言されています。
 また、先の大戦時、台湾人が日本人として戦った歴史に鑑みても、この断交は、武士道精神にもとるとも難詰しておられます。

 武士道精神にもとる・・・この意味を考えてみたいと思います。

 まず、私たちは、初代中華民国総統蒋介石(1887-1975)の終戦時の日本、日本兵に対する寛大な措置を忘れてはならないと思います。

 毀誉褒貶は世の常、二・二八事件以降、ながらく戒厳令を施行した蒋介石初代総統に対して、例えば幸福実現党もお世話になり先ごろお亡くなりになった黄文雄氏著(1938 – 2024)「蒋介石神話の嘘: 中国と台湾を支配した独裁者の虚像と実像」というような評価もあることも存じ上げている。ゆえに、ことさらに蒋介石の業績を美化するつもりはない。

ただ、歴史的事実は、忘れてはならないと思うのであります。

いわゆる「徳をもって怨に報いる」演説で語られたことです。
 終戦の二日前、蒋介石が行った「抗戦勝利にあたり、全国軍および全世界人民に告ぐ」という布告文が全世界に向けて放送されました。

 そのポイントは、四つあります。
まず、第一に日本に対する賠償請求権の放棄
第二に、天皇制を守る事
第三に、在留邦人の早期帰還
第四に、日本領土の分割統治阻止。
この四つが、今日の日本の繫栄の礎となったと言っても過言ではありません。

 日本にとって蒋介石は大恩人であったことを忘れてはならないと思います。

例えば、戦争が終わってシベリア抑留となった日本人は、約 560,000人と言われています。そのうち、異国のシベリアで亡くなった方は、5万人を超えると言われています。

 これを考えれば、終戦時、中国大陸には、200万人あまりの日本人がいました。アメリカやソ連は、日本人を捕虜として収容し、労役を課すべきと強い意見が出されていましたが、蒋介石は、その意見を排除し、日本人の早期帰還の措置を断行したのであります。

 この恩は忘れてはならないと思います。
 
このような観点からも、わが国が一方的に台湾を断交したということは忘恩の所業、武士道精神にもとる、そういえるわけであります。

日中国交回復、台湾断交の直後、台湾政府(中華民国)が、発表したメッセージの一部を抜粋したいと思います。それは現代でも全く色あせない正論が見られると思います。

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〇現在田中政府がこともあろうに一方的に中日平和条約を破棄し、中共偽政権を承認して中華民国政府と断交したことは、単にその忘恩背義行為が日本民族の絶対多数国民の願望に違反しているだけでなく、さらには中日両国と全アジアの遠大な利益を侵害するものなのである。

〇中共匪団の日本赤化とアジアの赤化、ないし世界赤化の目標は、従来からなんら変更されておらず、現在まさにアジア太平洋地区で積極的に浸透転覆を勧め、いろいろな戦乱を製造している。この時にあたって田中角栄がついに狼を部屋に引き入れ、敵を友と認め、中共匪団の転覆活動を助長することになったのは、日本およびアジア太平洋地区に限りない禍患をもたらすことは必須であろう。

〇大陸を修復し、同胞を救済することは中華民国の基本政策であり、いかなる情勢下においても絶対に変更はあり得ない。中共偽政権はアジア攪乱の根源であり、この暴虐集団が転覆された後、日本およびアジアの安全自由と繁栄が初めて確実な保障を得られる。

〇中華民国政府は、田中政府の誤った政策がなんら日本国民の蒋介石総統への深厚な徳意に対する感謝と思慕に影響を与えるものでないことを信じて疑わない。
 わが政府はすべての日本の反共民主の人士に対し、依然、引き続いて友誼を保持する。
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2019年、大川隆法総裁先生は、蒋介石の霊言を収録され、その際にも蒋介石は、「田中角栄の裏切りはちょっと許せんな。」と50年たってもそのように言っていましたね。

 台湾政府は、1972年断交後も、『徳をもって怨みに報いよ』を再び実践したかの如く、報復措置もなく、民間の交流は、連綿として発展してまいりました。

 日台の近代史は、私の世代でも学校教育で詳しくは学びませんでしたね。古墳時代には時間が割かれましたが。

そんなこともあり、毀誉褒貶はあることを知りつつ、蒋介石の恩について自分の学習もかねて書きました。

最後に、大川隆法総裁先生は、孫文、蒋介石、李登輝、蔡英文氏の流れが「正統」であると台湾の講演会で説かれています。「愛は憎しみを超えて 2019.3.3 台湾グランド・ハイアット台北」

 
幸福実現党岐阜県本部街宣 2024.9.8

 

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