インクルーシブを連発した乙武氏の演説 | 加納有輝彦

インクルーシブを連発した乙武氏の演説

さて、昨日行われたファースト大演説会に、小池都知事が果たして乙武氏の応援に参加するのか否かと注目されており、私も興味があったので動画を見た。すると、小池氏は、拡声器でヤジが飛ばされ騒然とする中、笑顔で街宣カーに立った。ヤジを飛ばしている方向にわざわざ顔を向け、笑顔で手を振るあたりは、さすがの貫禄というか鉄面皮。このくらいの度胸があれば、怖いものなしと驚愕した。(笑)

 

 さて、大演説会は最初から拡声器によるヤジ、アジ演説の攻撃にさらされた。乙武氏は途中で一瞬ブチ切れたが、何とか持ちこたえた。正直、当初は、自公ファースト国民民主(連合)の推薦を受けて楽勝かと思いきや、いまは支持調査において厳しい数字が出ている。おまけにここにきて頼みの綱の小池都知事の学歴詐称疑惑の再燃。

 

 今回の演説会は、全体を通して乙武氏の悲壮感が漂った。お体の障がいも手伝って悲壮感はさらに重いものに感じられた。

 

 さて、乙武氏に関し、悲壮感以上に、印象に残ったのは、彼の強調する政策である。

 

彼は、政策演説で最も力を入れたのは、「インクルーシブ教育」という言葉だった。

 

曰く、小池都知事は私を「最もインクルーシブ教育を体現している人物と評価して頂いた。とてもうれしかった。

インクルーシブに関して十分な説明をしないままインクルーシブが連呼されたゆえ、100人~200人の聴衆はおいてきぼりだったのではないか。

 インクルーシブ教育とは、狭義には、障がいのある者と障がいのない者が共に学ぶ仕組みと言われているが、広義には、障がいの有無や性別、性的嗜好、人種などを包括的に乗り越えようとする教育のことである。

 

 乙武氏はもともとLGBTQ推進者であることを踏まえると、性教育に関しては、包括的性教育を志向していることは間違いない。

 

 私などは、包括的性教育といわれれば、瞬時に警戒感を持つが、インクルーシブ教育と言われればピンとこない。これが小池百合子氏由来のカタカナ日本語の妖怪性である。カタカナで人を煙に巻く。 

 

包括的性教育とは、教育学者高橋史朗氏によると、性は楽しむもの、性愛化(本能に基づく愛欲を大切に考える)を大事な基本理念とし、「純潔教育」、性規範、性道徳を否定します。また、学習指導要領の性教育における『はどめ規定』の撤回を求めています。

 

 このような文脈で、インクルーシブ教育なるものに要注意である。

乙武氏の障がい、悲壮感漂う現状に同情する気持ちも生じるが、彼が力説した政策に、私は賛同できないことははっきりとした。(江東区の選挙民ではないが)

 

 乙武氏のリベラル政策を仮に自公が推薦したなら、政党政治の終焉をリアルに感じざるを得なかったであろう。

 

情勢調査では、苦戦が強いられている乙武氏のようだが、この悲壮感が、義経びいきの伝統が江東区民に残っているとすれば、同情票による票の積み上げがあるようにも思う。

 

 

 

 

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