アメリカを想う(Look for America)
アメリカを想う(Look for America)
アラン・ブースを愛する旅人から、駐日米大使館の記念メダルをおみやげに頂戴した。
細かい細工が施された工芸品。初対面の私に、こんなりっぱなメダルを、恐縮した。
旅人はかつて米大使館に勤務していらした。
旅人は言った。
当時、大使館には二つのグループがあったと。
一つのグループは、
The Chrysanthemum Club(菊クラブ)と呼ばれていた。
彼らは日本をこよなく愛し、日本人を信頼した。
その代表が、約12年間もの長きにわたって米国の駐日大使として活躍したマイク・マンスフィールド氏であった。
もう一つのグループは、貿易摩擦等、日本を米国に脅威を与える存在と見ていた。
1980年、マンスフィールド大使は言った。
「米国と太平洋をはさんで向かい合う国々は、いつか湖の周りの隣人のように、共通の利益や目標を分かち合い、密接に結びつくコミュニティになるだろう」
少なくとも、旅人と私の関係は、隣人のようにアラン・ブースへの思いを分かち合った。
旅人と私は、失われゆく日本の風景と人情を語った。
What was lost.
旅人は言った。
昨年秋、アメリカへ帰郷した。
何もかもが変わってしまっていた。身の危険を感じるほどに。
10年後のアメリカがどうなってしまうのか想像がつかない。
菊クラブのマンスフィールド大使と中曽根首相のツーショット
そして エマニュエル大使(総督)に命令されるままにLGBT法案を立法した岸田首相とエマニュエル大使のツーショット
日本とアメリカの間で、信頼以上の何かが失われた。
なぜか、サイモンとガーファンクルの「アメリカ」が私の裡でこだました。
https://youtu.be/VXFslAcNd4c?si=JyEXG_uavQ8sxQgq
♪So we bought a pack of cigarettes and Mrs. Wagner pies
And walked off to look for America
それで僕らは、1箱のタバコとミセス・ワーグナーのパイを買って
AMERICAを探しに歩き出した。
♪All come to look for America
♪All come to look for America
みんなアメリカを探しに来てるんだ。
「Mrs. Wagner pies」ミセス・ワグナーのパイはいくつかの支店を持つパイのチェーン店だった。1968年の昔に廃業閉店していまはない。
ワグナーパイのワッペンのように、日米信頼の証、りっぱなメダルが表象する価値も失われつつあるような気がして、メダルが過去の遺物のように見えて愛おしくなった。