ダイヤモンドの雨粒 | 加納有輝彦

ダイヤモンドの雨粒

ダイヤモンドの雨粒

 

 

とある茶室の茅葺き(かやぶき)が順調に進んでいる。

 

職人さんが言う。

 

「雨の日の茅葺き屋根は綺麗ですよ。一本一本の茅の断面を流れる雨が粒になり、無数の粒が光に反射してダイヤモンドみたいに光り輝くんですよ。」

 

生れてこの方、雨降りに茅葺き屋根を観察したことは一度もない。子供の頃、ポツンポツンと茅葺き屋根の家があったのを記憶しているが、ガキ大将(笑)にそのような情緒は微塵もなかった。

 

 大人になってからは瓦屋根にシトシト雨が降り、鎖樋(くさりとい)を伝って雨水が地面に垂れるのを見るのは好きだった。

 

 職人さんが言う。

「オランダでは、富裕層が、好んで家の屋根を茅で葺くんです。」

その数年間2000棟に及ぶという。新築物件である。信じがたい数字である。

 

 欧州は、環境問題に敏感であることは知っているつもりだったが、まさか茅葺き屋根を愛しているとは。

 

 茅とは、主にススキ、稲、ヨシ等の植物の屋根材の事をいうのだが、どれも廃材は畑の肥料となる。実際、この現場の茅の廃材もある農家の畑に持っていき肥料としている。

 

 究極のエコであろう。

 

一度、雨の日に、茅葺きの屋根を流れるダイヤモンドを見たいものだ。

 

 それにしても、茅葺きの醸す温かさは、自然にやさしい究極のリサイクルシステムは、緑のオバサマが義務化!と強制する太陽光パネルを筆頭とする再エネ推進政策への嫌悪を私の裡でますます助長させるのである。

 

 電力供給を不安定化し、電気料金を上げ、災害時には危険物と化し、捨てられない産業廃棄物となり、里山の景観を壊し、C国にカネが流れウイグルの強制労働を加速させる、何一ついいことのない再エネ推進(太陽光)に血道を上げる我が国の為政者の「邪見」を、茅一本でもって糺したい気分である。喝!!!

 

 

 

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