「英語達人列伝Ⅱ~かくも気高き、日本人の英語」第Ⅷ章 山内久明 | 加納有輝彦

「英語達人列伝Ⅱ~かくも気高き、日本人の英語」第Ⅷ章 山内久明

 私がひっそりとUpしているある動画の書き込みで、23年の時を経て、続編「英語達人列伝Ⅱ ~かくも気高き、日本人の英語」斎藤兆史著が発刊された事実を知りました。さっそく購入。

2000年に発売された「英語達人列伝―あっぱれ、日本人の英語」は、英米人も舌を巻くほどの英語力を身につけた「達人」たちの英語修行を紹介、新渡戸稲造、岡倉天心、斎藤秀三郎、野口英世、岩崎民平、白洲次郎、鈴木大拙、西脇順三郎、斎藤博、幣原喜重郎ら十人を取り上げている。

 著者の斎藤兆史氏ご自身も、東大教授で英文学者ですが、その文体が硬くなく軽妙なこともあってこの本はプチベストセラーとなったようです。

 もっとも、読者は、達人たちの気の遠くなるような、例えば、図書館の洋書を全部読む、朝から夜までひたすら勉強とか、そのような英語修行を読み、とても自分には真似できないという敗北感を味わうのだが、それぞれの修行者のエピソードが抜群に面白く引き込まれる。

著者の言葉を借りれば、達人たちの英語への思いは次のようなものらしいのだが、当時の人と比べれば、ネットで英語に囲まれている我々が、これほどの狂気を持つことはかえって困難になっているのかもしれない。

斎藤秀三郎:執念

野口英世:根性

西脇順三郎:偏愛

ちなみに、斎藤秀三郎氏の霊言が、大川隆法総裁により収録され、書籍化されている。
「英語界の巨人・斎藤秀三郎が伝授する英語達人への道」2013


 コアなファンからは、続編が待ち望まれたのあった。

23年を経て、続編が刊行されたのでございました。

 続編「英語達人列伝Ⅱ ~かくも気高き、日本人の英語」は、夏目漱石など8人の英語達人が紹介されている。

 その最終章は、山内久明(やまのうち ひさあき、英文学者、東京大学名誉教授)が取り上げられている。現在88歳でご存命の方である。

 まずは、この最終章を読んだ。

山内久明氏のイギリス英語の格調の高さは、ネイティブのイギリス人からも絶賛されていることが書いてあった。
 
 少し引用させて頂く。

ケンブリッジに留学していた頃、山内氏の英語について、イギリス人の同僚は、彼の書く英語の質は、「驚異的」(phenomenal)だったという。Phenomenalという称賛は他に例がないものだという。

また、山内氏は、1996年、エリザべス女王から「大英帝国三等勲爵士」(CBE)の称号を与えられた。

イギリス大使館で行われた叙勲式で、山内氏(62歳)はスピーチを行った。そのスピーチを聞いた当時の駐日イギリス大使は、しばし茫然自失といった表情で間を置いたのち、「こんな見事な受勲スピーチは聴いたことがない」とため息まじりに、山内氏の格調高い見事なイギリス英語を称賛したという。

著者の斎藤兆史氏は、後年放送大学の講義としてテレビで放送された山内氏の英語スピーチ映像を、日本の英語教育界の宝ともいえる映像資料であると、放送大学にはぜひ大切に保存してほしいと要望されている。

冒頭で、私がひっそりと上げているある動画と書いたが、実は、その動画とは、音声のみであるが、山内久明氏が、東大の助教授時代、ラジオ英語会話のゲストとして出演した番組、2回分30分をまとめた動画であった。

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 NHKラジオ英語会話 東後勝明先生インタビュー:山内久明 東大名誉教授
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その動画のコメント欄に、こう書いてあった。

~本音声の山内先生は、小生は当初寡聞にして知りませんでしたが、「英語達人列伝II」(斎藤兆史著)によれば、山内氏の英語は本国英国人が驚嘆するものであったとされ、後年放送大学で氏の英語が聞けることから、そのVTRはお宝もの、とのこと。となると、このアップロードは超お宝ものだと思います。ありがとうございました。~

ひっそりとアップしている動画を、超お宝ものと、大変有り難い言葉を賜った。

そんな事もあって、久しぶりに聴きなおした。

東後勝明氏の美しい英語、アシスタントのイギリス人のイギリス英語、そして当時50歳前後の働き盛りの山内久明氏の格調高いイギリス英語。
 
なるほど、これはひょっとして二度と聴くことの出来ないお宝なのかもしれない。

今、2023年、ネイティブをも感嘆させた、これに匹敵する美しい英語、格調高い英語を話せる英語学者がいるのであろうか。

当時、この番組を聴いていたのは、十数万人?数十万人?は、最低いらしたでしょう。そんな中で、40年も経ってこの動画を投稿しているのは、おそらく私一人のようですから、そういった意味で私にも「執念」「根性」「偏愛」があったやも知れぬ?と一人悦に入っているのでございます。呵々。

皆さまもお時間あったらぜひお聴き下さい。

 

 

 

 

著者の斎藤兆史氏

 

 

 

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