ソクラテスの少数派主義 | 加納有輝彦

ソクラテスの少数派主義

ソクラテスの少数派主義

チャンネル桜で、精神科専門医の銀谷翠(ギンヤミドリ)さんが、雑誌、クライテリオン 「SDGs/AI批判序説」に投稿された伊藤貫氏の「欧米保守思想に関するエッセイ」の中から、以下の部分(p112)を引用され、朗読した。(動画44分22秒あたりから) 

 

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【Front Japan 桜】「改革改革」では閉塞感は打破できない / プリオン病を知ろう![桜R5/4/26]

 

 

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プラトン国家より朗読

 

国の多数派工作に騙される人たちの本質を突く寄稿があったので紹介したい。

 

プラトンが書いたクリトンというもので、処刑される直前のソクラテスと、親友クリトンとの会話でこのような内容があった。

 

ソクラテスは以下のように語っている。

 

親愛なるクリトン君、なぜ我々は世間の多数派の意見なんかにいちいち気を使って生きる必要があるのだろうか。

 

われわれが考慮すべきは、本当にすぐれた人の意見だけではないだろうか。

君は僕に多数派の意見を敵にまわすのは危険すぎると、忠告する。

確かにそうだろう。

 

しかし僕はたとえ多数派から何度も投獄されたり処刑されたりする仕打ちを受けても、自分の理性に忠実に生きたいのだ。

 

僕が気にかけるのは、良い人たち、優れた人たちの意見だけであって、多数派の評価ではない。

 

運動選手は、最良のコーチの指導に従うべきであって、その場、その場の観客の拍手喝采や、罵声に従うべきではない。

 

最もすぐれた理解力を持つ人の意見こそ、尊重されるべきなのだ。

 

世間のいわゆる「みんなの意見」に我々は服従する必要はない。

確かに多数派には、僕を死刑にする能力がある。

 

だからといって、なぜ僕が自分の考えを変える必要があるのだろうか。

 

これがソクラテスの少数派主義である。

(以上、引用、朗読)

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 常々、伊藤貫氏は、日本の指導者に古典の教養がないと嘆いておられるが、たしかに、現代に通ずる核心的批判である。

 

 

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