ある県議選の結果
地元で注目された県議選で、個人的に懸念していた通りの結果となった。
自民党の公認が落選し、同党の推薦、今年、立憲民主党から自民党に電撃的に移籍して全国的な話題となった女性候補が当選した。
2議席枠のもう一つは、立憲民主党系の候補者が、トップ当選した。
地元で、存じ上げている関係者も少なからずいらっしゃるので、書きにくいが、少しだけ所感を。
今や、自民党の公認を受けることが、最強の、最短の、最も確実な政治家への道。
決して経歴だけで人を見ることは避けたいが、今回の自民党の公認の候補者の経歴は、地方においては「第一級品」であろう。国政レベルにも通じる経歴である。
一方、トップ当選を果たした方は、地元密着の方。
もし当選枠が一議席で、一騎打ちの戦いであったなら、
経歴だけ、そして自民党の公認、公明党の応援も頂けるとなれば、軍配はどちらに上がるかは容易に想像できる。
もちろん、今回の選挙区は、もともと野党が強い地域であるので、ステレオタイプの公式は当てはまらないとは思う。
しかし、2枠を全部自民で獲得しようと、立憲民主から電撃鞍替えした若い女性を推薦とし、公認、推薦の2人を当選させようとした。
この自民党のチャレンジ精神のおかげで、16年無投票の選挙区が久々に選挙となったことはよかったのだろう。
ただ、この結果は、素人でもかなりの確率で予想されたことだけに、エリート的立場を捨て、地元に帰り、県政にチャレンジした若い、公認を受けた方にとっては、やや、自民幹部層の戦略に不信をもってもおかしくはない結果となった。
もちろん、100%、選挙に勝つ保障なんてありえないので、ご本人もこの結果は覚悟の上でのチャレンジだったとは思う。
さて、世間の人の、立憲民主から自民党へ電撃移籍した女性に対する批判は決して少なくはない。私も、直接、有権者のご婦人の怒りを聴いたことがある。
「あまりに節操がない。」
そして、鼻の下を長くして若い女性を受け入れた自民党の大御所幹部に対する批判の声も少なくなかった。
「節操がない。」
この怒りが自民党への「お灸票」として、トップ当選をした野党候補への流れたことも事実。
さて、「お灸票」が何票あったかは知りようがないが、3者、大接戦であったゆえ、無視できないものである。
これは言いにくいが、高市早苗さんが、応援に来た時に、高市さんの口から、自民党大御所の国会議員が、受け入れた若い女性のことを可愛くてしかたない・・・みたいな事を仰って、この発言はあまりよろしくないと私はその場で感じた。
受け入れた自民党党員の中にも、少なからず「節操がない」という批判はくすぶっていたであろうから、特に、おばさま方に、この「可愛くてしかたない・・・」のジョークであったろうが、これは「カチン!」ときた人もいたであろう。
まあ、まわりくどい書き方しかできないが、政治家の発言は、例え、ジョークであっても、有権者の心の機微をよくよく掴んでおかないと、難しいもんだなと思った次第である。
今回、試練にあった若い彼は、どうかこの試練を糧として、前進して頂きたいと思う。