高市早苗経済安全保障担当大臣の肉声を聴く | 加納有輝彦

高市早苗経済安全保障担当大臣の肉声を聴く

昨夜、地元に高市早苗経済安全保障担当大臣が来られ、講演をされたので、参加した。

党は違うが、2009年の総選挙で、立候補を断念し、古屋圭司氏に選挙協力したご縁で、当該地区の自民党とは、少しご縁があるゆえ、お誘い頂いた。

昨年、経済安全保障担当大臣に任命された直後、高市氏は、BSフジにて、
「大臣に就任した日に言われたのは『中国』という言葉を出さないでくれというのと、来年の通常国会にセキュリティー・クリアランスを入れた経済安全保障推進法を提出するとは口が裂けても言わないでくれと言われました」と爆弾発言。

その後も、本来高市氏の所掌である経済安全保障の分野を、西村経済産業大臣に奪われているようにも見て、高市氏は、ホサレテいるのではないかと、そんな印象を持っていたので、肉声を是非とも聞きたかった。

 恨み節は、一切なかった。
昨年成立し、施行を控えている経済安全保障推進法に、魂を入れると、並々ならぬ決意で、滔々と語った。往年の田中角栄ではないが、数字が出る出る(笑)、自民党内きっての政策通の面目躍如である。

ただし、スパイ防止の分野、セキュリティー・クリアランスについては語られなかった。岸田首相の「口が裂けても言わないでくれ」を守っておられるようだ。(笑)

 以下、ぶつ切りのメモであるが、高市大臣の講演の要旨を記録しておきます。大会の趣旨は、きたる統一地方選の決起大会でもあり、政策にそれほど興味のない聴衆もおられたと思うが、高市氏は、国会議員の品位を示したと思われる。

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日本を強くるすために五本柱
① 外交
② 防衛
③ 経済
④ 技術
⑤ 情報

昨年、今まで、日本になかった経済安全保障、宇宙政策が登場

経済安全保障推進法とは、
① サプライチェーンの強靭化
② サイバー攻撃に備える
③ 情報漏えい防止
同法律が昨年5月成立した。
準備を整え、施行は数年後。

昨年8月、経済安全保障の担当大臣を拝命し、この法律に魂を入れることが使命となった。

○重要物資の安全強化、サプライチェーンの強化の必要性を昨年、コロナ禍でまさに実感した。
マスクが足りない。医療用防護服が足りない。人工呼吸器が足りない・・・
「これはいけない」製造にかかわるものは国内での生産が必要。

アメリカは、大統領令で、特定の企業へ特定の生産物を製造する命令を出せる。
GMが人工呼吸器を製造したりした。国が必要なお金を出す。
日本も緊急時における国内でのサプライを可能とする体制が必要である。
民間企業に、政府が命令することは、日本では困難であるが、協力してくれる企業にお金を出すことは必要。
 
○基幹インフラが、サイバー攻撃を受けるリスクを想定し、基幹インフラの需要な部品に関し、事前に届け出をして頂き、国が、30日以内に審査し、たとえば、それが中国製であった場合、あぶない箇所がないか、チェックする制度が必要。企業側にとっては、面倒ではあるが、準備中である。

○特許出願の非公開について
悪意ある勢力が、悪意を行使できないように、安全にかかわる特許については公開しないようにしたい。非公開により損害を受けた開発者には、政府が保障する。

G20で、非公開措置がない国は、アルゼンチン、メキシコ、日本だけである。

○昨年、12月20日、特定重要物資の指定を行った。
抗菌性物質製剤、肥料、半導体、蓄電池、永久磁石等。

★例えば、注射用抗菌薬に多く用いられるβラクタム系抗菌薬は、その原材料のほぼ100%を海外に依存している。
実際に、2019年に製造上のトラブルから原薬の輸入が途絶した際には、一部の医療機関において、手術を実際に延期したなどの深刻な事例が発生。過去供給途絶が発生していることも踏まえ、早急に安定供給確保のための措置を講ずる必要と考えている。

 2030年までに、βラクタム系抗菌薬について、供給途絶時においても医療現場に
おいて必要な量を切れ目なく安定供給できる体制を整備することにしている。

★肥料も輸入に頼っている。塩化カリなどは100%輸入。これらの国内生産により安定供給化を図る。

★半導体、蓄電池、永久磁石も海外依存度が高い。半導体は79%海外に依存。家庭用蓄電池も半分以上、海外に依存。レアアースなどは100%海外依存。

 南鳥島EZ内に、ほとんどの種類のレアアースが、数百年分存在している。現在、2500mの海底から上げる技術がある。これを6000mの深さまで可能とすることを目指す。

まずは、国内調達を目指し、一兆三千億円の予算措置をしている。

○重要技術として、衛星間の光通信がある。情報力の担保の要の技術。
小型衛星コンステレーション
※衛星コンステレーションとは、多数個の人工衛星の一群・システムを指す。個々の衛星はシステム設計された軌道に投入され、協調した動作を行わせ、システムの目的を果たす。コンステレーションとは星座のこと。

 地上から100kmより上を宇宙空間と定義している。静止衛星軌道は、3万6000km地上から離れている。よって、情報遅延が生じる。
現在日本は、もっとも低いところの衛星が、90分で地球を一周し、10分しか日本の通信に利用できない状況。

 低軌道の衛星をたくさん打ち上げ、衛星コンステレーションを構築する。現在衛星間の電波はサイバー攻撃(ジャミング)を受けやすい。これを光通信にする。傍受されにくくなる。

衛星コンステレーション + 光通信 このシステムを構築する。

○多数のスペースデブリ(宇宙ゴミ)が宇宙を漂っている。10cm未満の小さなものでも、衛星に穴をあける事故をおこす。人工衛星に衝突すると大変。デブリ回収の日本の技術は、世界一の高さを誇る。

 ロケットの一番上、例えば、HⅡでは、長さ11m、直径4mクラスの大きなものとなる。これが宇宙空間を多く漂っている。回収できない。
 これらの大型のデブリの回収を、日本は2025年には商用化可能となる。

本年、日本はG7の議長国。私(高市)は、科学技術会議の議長を務める。現在、各国の大臣と会って、根回しをしている。安全なデブリ回収については、各国が共通の認識をしている。
日本が最先端の技術をもっているので、各国の大型デブリの回収を代金を頂き代行できる。
炭素繊維も日本はトップの品質を誇る。海外からの引き合いもある。

○ドローンは、現在、最長60分飛行、5kg以下しか運べない。万一の有事の際、60分、5k以下ではつらい。
 もっと長時間、重いものを運べるようにしなければいけない。
現状は、ドローンは中国からの輸入に頼っている。アメリカも例外でなく、76%が中国製。世界的にも産業用ドローンは、55%が中国製、個人用は、74%が中国製である。

これも、万一、不正な信号を送られ、操縦不能となるリスクがある。情報を抜き取られ、データが流出するリスクもあり、国産化が重要です。現在、国が技術を公募中で、支援を考えている。

 

 

 

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