ある自営業者との会話~妄想としての徳政令~ | 加納有輝彦

ある自営業者との会話~妄想としての徳政令~

 ある自営業者との会話

 

 ※今、自営業者が置かれている厳しい現状をご理解頂くために、エグイ話も含まれますが、脚色なしで報告いたします。

 

 

昨日、久しぶりにSさんと会った。

Sさんは、長年地域社会にとって不可欠のサービス店舗を自営し、町おこし等地域社会のリーダー的存在。

 

 篤志家のお一人である。

 

Sさんの商売は、自粛自制の影響をモロに受ける業種である。

 

「お久しぶりです。どうですか、コロナの影響は?」

 

「ひどいもんだよ。」

 

「持続化給付金は申請されましたか?」

 

「売り上げ対前年(月)49%ダウン(笑)。だから対象外さ」

 

「えっ?・・・」

 

「知ってるよ。だけど私は、不正はしたくない。」

 

「・・・・。」

 

「無利子・無担保・据置最大5年の融資は申請してるよ。

うちは、月末に支払いがあってね、金融機関になんとか早く融資してもらえないか言ってもね、向こうも満杯でいまは、なんともならないらしい。いつになることやら・・・。」

 

「それは声を大きくお願いして下さいね。」

 

「近所の地銀からも借りられるんだけどさ、過去、喧嘩してるから、行きにくいんだよ。銀行は、私の顔みて、金利をえらい高く設定されててね、知らずにいてさ、ほんと弱い者いじめするんだよ、弱い者は高金利、強い者には低金利、当たり前の経済原理とは分かっていても腹立つわ。」

 

「まあ、銀行といえば、あれなんですが、ようは『高利貸し』の看板の架け替えですからね。」

 

「運転資金⚫000万円融資をうけるつもりだ。この先、どうなるか分からん。

 東日本大震災の時も、水産業や旅館の人が、5年後か何かに、元本返せなくて破産したケースが一杯あったよね。

私もどうなるか、分からん。」

 

「・・・・」

 

 

「自分は、こんなこと夢想してるんだ。

それはね、⚫000万円の融資、数年後にね、『徳政令』が発布されてチャラになることさ(笑)。」

 

※徳政令とは、他人から借りたお金を返さなくていいとする法令。日本の歴史でも永仁の徳政令等何度も布かれた。

 

「いま、政府は、この期に及んで財政規模云々いって真水の給付が全然足らないじゃないか。日本の財政だったらもっとできるはずだ。」

 

 その後、話は大いに盛り上がった。

二世議員のお坊ちゃまには、私たちの苦労は分からん。

土建屋の叩き上げの田中角栄さんみたいな人だったら、お金の回し方わかるだろうに。誰もおらん。次期総理も誰もおらんじゃないか。

 釈さん、はやく当選してもらわないと困る。

 

 冗談を交えながら会話だったが、尋常小学校の教師だった祖父の話などをする時、Sさんの目が涙で潤んだ。

 そう、祖父、父、皆、連綿と頑張ってきた、自分が潰すわけにはいかないという思いが充溢したんだと思う。

 

 そして、別れ際、こんなこと言われた。

 

「本当に大変と思いますが、また来ますので頑張ってくださいね。」

 

「次は、首を吊ってもうおらんかもしれんよ。この前、近所で自殺した人がいてね。

 その人はね、首に縄を三重も巻いていたそうでね。長く苦しんだようなんだ。

 どうも、やるときは、一重巻のほうが楽にいけるそうなんだ。親切な人がいてね、そんなご忠告を頂いたんだよ(笑)」

 

長話の中で「次は、首を吊ってもうおらんかもしれんよ。」これを2~3回繰り返された。

 

 冗談で仰っていて、そのようなことをする人では断じてない。

 

しかし、冗談でもそのようなセリフが出るということは、そのような映像が想念世界の中で浮かんでいるということだ。

 

 これから日本全国で自殺者が増えることはかなりの可能性がある。

 

Sさんの、夢想、妄想、そして希望である

 

 

「徳政令」

 

 

歴史上実際にあった事だ。

 

 事の次第では、これを考えなければならな事態が来ないとも限らない。

 

消費税の増税等、為政者の数々の失政の責任を取るとすれば、「徳政令」も選択肢の一つとなるのかもしれない。

 

少なくとも、Sさんにとっては、自殺を思い止まらせる「妄想・希望」である事は確かだ。

 

 

 宗教政党幸福実現党の責任の重さを痛感したSさんとの会話であった。

 

 実直で、真面目なSさんを思うと、こみ上げるものがある。

 

なんとかして助けたい。

 

 わが党は、自助努力を旨とする自由からの繁栄を実現できる国造りを構想している。

 

 しかし自助努力できる土台が、今の日本は十分でない。

政府の介入が多すぎる。税金が高すぎる。

 

 「徳政令」に関する本を読んでみよう。

 

 

 

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