アダム・スミスは神様です。 | 加納有輝彦

アダム・スミスは神様です。

 アダム・スミスは『国富論』の第5編で次のように書いている。

「政府債務がある水準まで蓄積した時、公正な手段で金額が返済された事例はひとつもないと思われる。財政収入を債務返済にあてる義務から解放されることがあったとしても、すべて破産によってであった。そして破産が宣言された場合もあるが、たいていは、実質的な破産を覆い隠して、債務の返済を装う方法がとられている。」アダム・スミス著 山岡洋一訳「国富論(下)日本経済出版p529

このアダム・スミスの考えを知った時、政府税調の神野直彦専門家委員長(東大名誉教授)の言葉を思い出す。

「政府の借金など返さなくてもいい」「どれだけ増えても、借り換えすればいい」「借金をすべて返した国などない」などと、公然と言ってのけた。重要な地位の方の発言である。アダム・スミス先生の言葉からすれば、神野委員長の指摘は正しいというか、現実的発言だ。

 しかし、償還国債を借り換え、借り換え延々と先延ばししても、債務から解放される瞬間は、財政破産の時であるという。
なるほど、国債の信用・通貨の信用が失墜し、ハイパーインフレになる。破綻状態となる。すると政府はデノミを実施し、国民の預金を封鎖し、借金を踏み倒せばよいことになる。
 あるいは、円を刷りまくって、マネーサプライを1000倍にすれば、貨幣価値が1/1000になる。そうすれば、政府の借金も1/1000になる。
国民の金融資産はなくなる。同時に、政府の借金も消える。これでめでたし、めでたしである。(^^)


 最後の最後まで、国民負担である。財政破綻に責任を持つ政府、役人は無罪放免ということか。

国民は保険料のつもりで払ってきた社会保険料を、税金と思って勝手に使い切ってしまったお役人。消えた年金。誰一人責任をとっていない。ものすごい罪を犯しているにもかかわらず。

いずれにしても、現在の日本政府は、特に社会保障費に関しては、実質的な破産を覆い隠して、債務の返済を装う方法がとられているということだ。もう年金制度は破綻している。70歳まで支給年齢をあげるということは、当然に出てくる問題である。

 日本の財政は破綻しない。しかし、社会保障費は、破綻している現実を受け止めなければならない。
これを幸福実現党は見据えて「新・所得倍増計画」を発表している。ごまかしはしない。

 経済成長なくして、税収増は金輪際ない。このままだと、役人に国民の財産を踏み倒されることになる。幸福実現党は、それはさせない。国民経済の主役は、国民。役人では断じてない。

 そもそも増税でプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化しようなどという発想自体が国民より政府だ大事だという発想だ。幸福実現党は、これを許さない。国民主権である。役人主権ではない。


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