保守政治家 いかるが卓徳と故中村 粲(獨協大学名誉教授)の友情 | 加納有輝彦

保守政治家 いかるが卓徳と故中村 粲(獨協大学名誉教授)の友情

 幸福実現党が立党して、2年と4カ月が過ぎた。
2009年の夏、政権交代選挙ではなく、国難選挙であると訴え衆議院選挙を戦った。

 いまさらながら、2009年夏の「政権交代」の代償がいかなるものであったか、取り返しのつかないものであったと痛感する。
 いや、このまま放っておくと、本当に取り返しのつかないことになってしまう。

民主党政権樹立は、マスコミが扇動した全共闘世代の革命ごっこの夢の続きであったのか。
アメリカを米帝と憎み、中共にシンパシーを感じる。そのような文脈の中で、この2年、日米同盟を基軸とした日本の安全保障体制が、著しく劣化した。
 野田総理が首を差し出す覚悟なくして、普天間基地辺野古移設問題は解決しないだろう。「沖縄の皆さんと真摯に向き合いたい。」と言うだけでは、再び10~20年の時間を要するだろう。もう日本にそのような時間的余裕はない。


 私の知人・同志に、いかるが卓徳氏という国士がいる。

福岡県大野城市議を3期務め、やむにやまれぬ「桜魂(氏の雅号)」で任期途中で市議をやめ、幸福実現党から立候補し2009年の国難選挙を戦った男です。
 いかるが氏は、10年以上にわたり日本再生のために、国民運動・保守活動に従事してこられた。主たる活動は以下の通りである。(いかるが氏が事務局長を務める日本再生ネットワークのHPから)

   ・日本の良さを学べる歴史教科書を

   ・北朝鮮に拉致された日本人を救出しよう

   ・家庭を破壊する男女共同参画に反対しよう

   ・人権擁護法案に反対する

   ・外国人への参政権付与に反対

   ・夫婦別姓の阻止

   ・その他歴史問題など多数の事案

そんないかるが氏から、市議を辞してまで、幸福実現党から立候補した理由を何気に聞いたことがある。

 すると、氏は、長年保守国民運動を行ってきたが、自民党麻生政権の末期、「もう日本は終わった」と絶望的な気持ちになったという。この気持ちは、保守国民運動に長年心血を注いで来たご本人にしかわからない気持ちだと思う。
 「もう日本は終わった」という深淵から、一縷の望みを幸福実現党に賭けたという。

 政権交代をマスコミが大扇動し、民主党大勝利が確定的未来となっていた2009年の夏、幸福実現党でひっくり返すと、一縷の望みを賭けたのである。長年国民運動に従事し、「この国は終わった」と思わしめる日本を、もう一度、再生しようと幸福実現党の立党精神に賭けたのであった。

 マスコミの大扇動により、圧倒的民主党勝利と予想そのままの結果であった。

 わが党に関しては「お遊びで宗教の宣伝のためにやっているのだろう。」と揶揄する人も少なからずいた。

 しかし、いかるが氏を知る人は、その「深淵」と「希望」を知る人は、このような批判を許さない。
 そんな方のお一人が今は亡き中村 粲(なかむらあきら:獨協大学名誉教授)氏であった。

中村 粲氏は、保守の立場に立つ近代史研究家で著名である。憂国忌・日本李登輝友の会発起人等数々の役職を歴任された。その熱血ぶりで数々の伝説を遺された。日本再生ネットワークの顧問でもあられた。
晩年は、月刊誌『正論』に「NHKウオッチング」を長期連載し好評を博した。NHKの左傾化を徹底批判した。

代表作『大東亜戦争への道』は、600ページを超える大著で、 1990年の刊行から20年以上経た現在もなお版を重ねており(2009年3月、15刷)、大東亜戦争肯定論支持者の間では特に重要な書籍と位置づけられている(渡部昇一氏は同書を「最も重要な通史」と高く評価し、テキストとして近代史を語った「日本とシナ」(ISBN 4569648576)を刊行した)。
 
中村粲教授は、正論 2009.11月号において、NHKウオッチング欄に「幸福実現党への扱いは正当か」の小見出しで、いかるが氏を知る人として、党の志、そしていかるが氏の志について熱い言葉で言及された。

中村教授氏NHKウオッチングより抜粋

(8月13日付 幸福実現党産経新聞全面広告)。

「このままでは、愛する日本を守れない。重大な『争点』
から逃げてはならないー」
との見出しで 前記した 諸問題への見解を主張している。(憲法九条改正、北朝鮮の脅威等)

これは本来 自民党の主張のはずだが、

マスコミ世論に気兼ねして 自民党が沈黙しているので、
痛憤 抑えがたく この意見広告を 発表したのだろう。

筆者の 長年の友人で 自民党系であった地方議会議員 I 氏(←いかるが氏のこと)は、
腑抜けた自民党に飽き足らず、
今回の選挙では 幸福実現党から出馬することに決断した。

自民党では日本は守れない 保守の立場から
日本再生のために 獅子奮迅の活躍を 実践してきた I 君ならではの
ぎりぎりの選択であり、涙の決断だった。

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(対するものが)千万人といえども 正論を吐く気概のある
政党を 国民に広く知らしめようとか、
大きく育てようといった 
未来に目を向けた闊達な気持ちは全くNHKにはなさそうだ。
(抜粋以上)



我々は、今更ながら、涙なくしてこの文章を読むことができぬ。

昨年、早すぎると惜しまれながら逝った中村粲教授に改めてご冥福をお祈りしたい。
そして、世間の人々が、いかに揶揄しようと、
世の中には、マスコミの喧騒から離れ、ただ真実を凝視する心ある人々、中村教授のような存在があることを勇気とし、真実一路・正論を訴えていきたい。 

 以下に、
中村粲教授、正論 2009.11月号、NHKウオッチング欄「幸福実現党への扱いは正当か」関係個所全文を掲載しておきます。
 これは、いわゆる提灯記事とは断じて一線を画す内容である。長年、日本再生の活動を行ってきた同志として真実の思いが吐露されている。
幸福実現党立党の精神を、初心を外部識者を通じて表象する忘れ得ぬ「小論考」であると思う。
 また、いかるが氏の「深淵」と「希望」がよく顕れている演説を張り付けておきます。ぜひ、ご覧頂きたい。



幸福実現党への扱いは正当か
  正論 2009.11月号より  

中村 粲  日本近代史専攻 獨協大学名誉教授



国家の基本問題と言えばまず国防だ。

この国防はしいてマスコミが争点から外したがる問題で、
マスコミの顔色をうかがう各政党も全くと言っていいくらい、
選挙公的にも掲げない。

そんな政党が 国家の命運をになう意気込みだけは大きいから訳がわからぬ。

その中で、国防、核武装を明確に公約している政党が一つだけあった。
幸福実現党だ。

憲法九条改正、拉致問題、靖国参拝、国防に関する言論の自由等々の
国家理念に関わる主張を 単行本、新聞、チラシ等で、
堂々と訴えていたのは この政党だけだ。


筆者は幸福の科学の信者ではないが、幸福実現党の この姿勢は
国政選挙の本道を行く政党の姿として 高く評価したい
(例えば 前記の 放送された8月13日付 産経新聞全面広告)。

「このままでは、愛する日本を守れない。重大な『争点』
から逃げてはならないー」
との見出しで 前記した 諸問題への見解を主張している。


これは 本来 自民党の主張のはずだが、

マスコミ世論に気兼ねして 自民党が沈黙しているので、
痛憤 抑えがたく この意見広告を 発表したのだろう。



筆者の 長年の友人で 自民党系であった地方議会議員 I 氏は、
腑抜けた自民党に飽き足らず、
今回の選挙では 幸福実現党から出馬することに決断した。

自民党では日本は守れない 保守の立場から
日本再生のために 獅子奮迅の活躍を 実践してきた I 君ならではの
ぎりぎりの選択であり、涙の決断だった。

その 已むに已まれぬ 救国の決志に 共感した筆者は
同君に 激励のエールを送ったのだが、これには賛否両論の反応があった。
それについてここで釈明するのは止めておく。


I 君は落ちた。

幸福実現党は ほとんど 全選挙区に 候補者を立てたが 全員落選した。

国防、憲法、歴史観といった重要問題について
これだけ真っ当な主張をしてきた政党が
一つの議席も得られなかったのは 奇奇怪怪というしかないが、

その原因はやはりマスコミにある。


マスコミ界の風は 全て 民主党へと向かって吹いていた。

NHKなど、他党の候補者は30秒しゃべらせても、幸福党には
10秒しかしゃべれせない
といった不公平な扱い方だ。

(対するものが)千万人といえども 正論を吐く気概のある
政党を 国民に広く知らしめようとか、
大きく育てようといった 
未来に目を向けた闊達な気持ちは全くNHKにはなさそうだ。

しかし、これでは政治に対する国民の気持ちは萎縮する一方だろう。

政治に志す者が、NHKなどの顔色をうかがうようになったらお仕舞いである。


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いかるが氏演説「深淵と希望 祈りと奇跡」


いかるが氏と故中村粲教授の2ショット。平成16年から17年にかけて福岡で開催した「大東亜戦争への道」連続セミナー後の懇親会での一コマ。
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