ウソをついた・つかれた

「ねえ、私を愛してる?」
「もちろん。」
「結婚したい?」
「今、すぐに?」
「いつか・・・・・・もっと先によ。」
「もちろん結婚したい。」
「でも私が訊ねるまでそんなこと一言だって言わなかったわ。」
「言い忘れてたんだ。」
「・・・・・・子供は何人欲しい?」
「3人。」
「男?女?」
「女が2人に男が1人。」
彼女はコーヒーで口の中のパンを嚥み下してからじっと僕の顔を見た。

「嘘つき!」

と彼女は言った。
しかし彼女は間違っている。僕はひとつしか嘘をつかなかった。

『風の歌を聴け』村上春樹

 

彼のついた一つの嘘って、何なんだろう。(・・? 

 

 

 

 

 

 

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