3連休2日目。休みの人、遊べる人は勝手に楽しんでください。私は関係なく仕事してます。似たような事を続けて書いてますが、明日も書くのかな。(*_*)

 

さてさて、今日は隣地域の夏祭り。来週は私の地域の夏祭りがあります。私が子供の頃は夏休み入ってのビックイベント。夏の始まりを実感しながら、何かが起きそうな予感に心時めいたりしました。(実際は何もなく終わってしまいましたが。)

 

今日も暑いです。今日のお祭りも来週のお祭りも見に行く事はないです。夜はゆっくり家でくつろぎながらビールでも飲みたいです。

過去にも何回か載せました。お祭りという事でヨシとしましょう。(ホントは手抜きなんですが。) (^_-)-☆

 

 

 

『君がいた夏』

あの頃の僕は、バレーボール部にいた。夏休みは練習に明け暮れるつもりでいた。ただ、ちょっとだけ気持ちの上で腐っていた。
夏の大会で、試合中に怪我をしてレギュラーを外されてしまった。控えに回るようになって、あんなに夢中になっていたものが、どうでもよくなってしまった。

高校で一番仲が良かったT君がいた。T君の家は、高校に向かう途中にあった。よく部活の帰りに遊びに行っていた。この日は部活だったが行く事をやめてT君の家に向かった。

「今日は練習早く終わったの」とT君は聞いた。「いや、今日はサボり。」と答えた。

「そういう事もあるよね。青春だ。」と言った。この「青春だよね」がT君の口癖でもあった。

その時、横から「こんにちは」と声がした。僕は声の方を振り向いた。女の子が立っていた。目の大きい白い肌の子だった。T君は今、一つ上のミクという名のイトコだと紹介した。そして、僕の事を手短に同級生で仲良しの少年Aと手短にミクに説明した。

T君は、ちょうど映画の券が2枚手に入ったから観に行く所だと言った。手に入ったんではなく、自ら購入した事を僕は気付いた。僕はなんとなく邪魔したら悪いと思い、ここで帰ろうとした。すると、ミクは「少年Aも暇なら、観に行かない。Tちゃん、連れて行って上げても良いよね。」とTに聞いた。Tは邪魔だなーというオーラを出しながらも、しぶしぶ頷いた。

「でも、お前は実費だぞー。」
「いきなりの出費は仕方ないか。これも青春だものね」と僕がそう言うとミクは笑った。

僕らが見た映画は『南極物語』というタロー・ジローという南極犬の映画だった。田舎の映画館なので、話題の映画が数ヶ月遅れて上映されたり、昔の作品が気まぐれ的に再上映されたりしていた。

映画の内容はほとんど覚えていなかった。ぼーとしながら、これから部活をどうするか考えていた。犬の仲間たちと白熊との格闘シーンの時、ミクは僕の手の甲に自分の手を置いた。僕はハッとして横を向くとミクは反対の手の人差指を口にあてて、静かにと合図をした。僕は手の甲を返して、ミクの手を握った。僕は何も考えられなくなった。時間だけが止まってしまい、ミクの手の温かさだけを感じていた。


この日は、映画館の通りはお祭りで、通りには屋台や露店が立ち並んでいた。お神輿が通りを行ったり来たりしていた。そのお神輿を追うように人の流れも行ったり来たりしていた。ミクを真中に僕とT君ははぐれない様に手を繋ぎながら歩いた。途中、T君が水風船を買い、ミクに渡した。僕はその間に、べっ甲飴を買った。

僕が握るはずである手に水風船を持たす。僕はT君やるなーと思った。2人が手を繋ぎ、その後ろに僕が付いた。僕らが進む方向とは逆に人の流れがこっちに向かってきた。その時、ミクはT君の手を離した。僕の腕を掴み掛け出した。

「Tを置いてちゃうの」と言うと、「Tちゃんとは、この後も家で会うから」と言って笑った。

しばらく掛け出して、人の通りが少なくなった所で、タバコを取りだした。メンソールの煙草だった。口に咥えて火をつけた。ゆくっりと一息吸って、僕の前にタバコを差し出した。

「少年Aも吸う」
「ここで吸わなかったら、ガキと思うかい。」

「うん、少年Aだ」と笑っていた。

「ガキじゃないけど、アスリートだからタバコは吸わない。」と言ってミクの咥えたタバコを掴み地面に捨ててもみ消した。

彼女はムッとする訳でもなく、ジッと見つめながら、「じゃーキスしようか。」と言って、静かに目を閉じて顔を上げた。

さっき買ったべっ甲飴を袋から取り出して、彼女の唇に充てた。
「まだ、少年Aで良いから。」と言った時に、
ドドーンという大きな音と共に打ち上げ花火が上がった。