方向性が見えてきた?
梅雨も後半に入り、本格的になってきました。
大雨で被害を受けられた方にお見舞い申し上げます。宮崎市内もかなり降っていますが、今のところ大丈夫そうです。ですが、まだまだ多めが続く予報、油断はできません。どうぞ皆さまもご注意なさってください!
さて、アサガオは連日の雨で徒長気味。
でも、葉っぱや草姿で交雑しているかがある程度はわかりますので、興味は尽きません。で、こういう方向性で行けるんじゃないかというのもおぼろげに見えてきました。
青紫覆輪牡丹st
これは今年分けていただいたもの。牡丹咲きにもいろいろな系統があるようで、すでに入手の黄抱え笹葉紅覆輪牡丹系とは葉型や草姿が全く違います。
遠目に見ると、トマト苗が混入?と勘違いしそうな姿です(笑)。
松風×(恋しぐれチョコレート×暁の露)
松風は黄斑蝉葉(キフセ)ですので、右は交雑していないと思います。
左が交雑しているもので、中央の裂の元がきゅっとしているようです。これは、ヘデラセア葉の恋しぐれチョコレートに由来するものだと思います。
で、この組み合わせは、松風の絞りが伝わるかどうか。花が待ち遠しいです!
紅つばめ×黄弱渦葉藤紫吹雪采咲(出物個体)
紅つばめは姫性青斑小葉ですので、明らかに交雑個体。出物個体は花粉が使えるものがあります。
花粉親に絞り(吹雪)を持ってきて、これが伝わるかどうか。伝われば姫性の絞りに繋がります。
暁の雪
交配したのですが、交雑なし。してなければそれなりに親として使えるので特に問題はなしです(笑)。
暁の雪×ペールブルースカイ
ペールブルースカイは青立田葉で、暁の雪の青斑蝉葉に交雑するとこうなります。葉っぱですぐに判断できるでしょ?(笑)
暁の光×恋しぐれピンク
恋しぐれピンクもヘデラセア葉ですので、こうなりました。きゅっとしたくびれで分かりますね!
花吹雪×黄立田葉紅覆輪丸咲き
花吹雪は青斑蝉葉(アフセ)、葉も花も大きくて迫力ある品種。交雑の抱え葉も大きくて迫力があります。花はピンクの絞りで、これも絞りが伝わるかどうかを確かめたいです。
花吹雪×チョコレートシルク
左が交雑で、右はおそらく交雑なし。
黄立田葉白丸咲き×ペールブルースカイ
黄立田葉の特徴が消えているので交雑しています。
サンスマイルローズ交雑
自然交雑個体。矮性(木立)は劣性遺伝なので交雑するとすぐに分かります。相手は黄抱え笹葉系かもしれません。
サンスマイルパープル×黄抱え笹葉紅覆輪牡丹st
抱えの性質はやはり強く伝わりますね。
キキョウホワイト交雑
桔梗渦が消えていますので、右は交雑個体。自然交雑で、相手は今のところ分かりません。
(夏だより×恋しぐれブルー)F2
さて、いよいよF2(F1のセルフ)を見ることが出来ました。ここが一つの見極め点になります。
F2でどのように分離するか。
F1と同じようなものが多く出れば以降の固定化は比較的スムーズ。反対に分離が多ければ、その中から目的に近い株を拾ってセルフ。F3が見極め点になります。
代を重ねても分離が続くようであれば、そこまでして追いかけたい形質かどうかの判断になります。
この組み合わせはF2で株はまとまっていますので、固定化は早いかもしれません。但し、育苗株が少ないのと、花を見ていませんので判断はこれからです。
そして、たくさんの交配株の中でこの組み合わせだけが蕾が見えています。早咲きの面でも固定が進められたら、以降早咲きの交配も広がります。
このように核になる性質を拾い上げられるかどうかが育種では大事です。まあ、運もあるんですが・・・(笑)。
(キキョウローズ×サンスマイルローズ)F2
これもF2です。こちらは矮性が分離しました。育苗数は少ないのですが、かなりの高確率だと思います。
この組み合わせは矮性の花のバリエーションを目指したものですので、この株をセルフしてその後を確認していきます。
で、これが分かると矮性のバリエーションの広げ方が見えてきます。
1.矮性種(サンスマイル)と矮性にしたい花(小輪、大輪、絞りなど)を交配する
2.F1をセルフする
3.F2で分離した矮性株を拾う。以降、セルフして固定化を進める。
このようなやり方です。F2で出なければ、ここでもう一度矮性種を戻し交配していきます。
一つの結果が見えるとそれが次に繋がっていきます。育種はデーターの積み重ねです。
さてさて、この矮性株はどのような花が咲くのでしょうか?楽しみです!!