親株リターン!社方育苗園さんから
またまた、親株リターンです!まだ、続いています(笑)。
実は作品展の時にすでに帰ってきていたのですが、ようやく整理番号付け等することが出来ました。
今回のリターンは熊本は山鹿市の社方育苗園さんからです。
一昨年の作品展に来られて、試作したいとの希望。そこで種をお渡ししてその中から選ばれたものを持ってこられました。
作品展終了後、圃場見学に来られた方が、かなりの生産者さんの親株を預かっているのにビックリ!
「これ、ROKAさんコケたら皆コケるじゃないですか?」と、言われてしまいました(笑)。
実質的に生産分の採種を行っている方はわずかで、他は交配、及び固定化までの分です。
ブログでも紹介しましたが、今期は新しく始められた方が多いです。
ですから、大人数分になっていますが、今後は自分で採種されるようになっていくでしょう。そうなってもらわなきゃ!(笑)
さて、親株紹介しましょう!
ストライプA
大絞りです。絞り部分が大きいのでインパクトがありますね。
ストライプB
こちらも大絞り。花型がやや抱え気味。抱え咲きの絞りはまだありません。
どちらも交配で出ている絞りですので、再現性は高いと考えられますが確認はこれからです。とにかくこれは播いてみないと分かりません。
リバーシブル
はい、ひとまずリーバーブルです(笑)。今のところそれだけで、少々インパクトに欠けます。
さて、どうするか・・・。思案のしどころです。
ブルーパープルブロッチ
画像はブルーが強いですが、実物はもっとパープルを帯びています。
よく見ると上弁にかすれのような、絞りのような模様が・・・。
よくぞ見つけられました!!これも観察眼のたまものですね。
ただ、これも自家受粉で採ってみないとどのように変化するのか、また遺伝するのかわかりません。でも、期待は大です!!
ローズパープル&ホワイトバイカラー小ブロッチ
どう見ても見元さんの血筋ですね。種が紛れ込んでいたようです。
これは交配によって血筋は引きながらもガラッと変えていきます。
イエローベイン
見事にベインが入っています。タイガーアイよりも一回り大きい花です。
ベインの交配系統ですので、再現率は高いでしょうが、これまた自家受粉させてみないと分かりません。
やっぱりこれくらいの大きさになるとインパクト大ですね!再現率が高いのを期待するばかりです。
ロースビーコン
渋め、濃い目のローズビーコンです。これはこれでいいかな・・・?
ただ、他の生産者さんにも同じようなものがあるので見比べながら違えていきます。
パープルピコティ
画像ではピコティーのコントラストがはっきり出ていますが、実物はもっとローズを帯びて覆輪(ピコティ)もあまりはっきりしません。
これはブロッチ覆輪ではなくて、本覆輪の系統です。
この画像のようにくっきりはっきり、より丸弁にするのが目標ですね。
極小輪系
ライトブルーのHF。これはこれでいいので採種していきます。
他を混ぜずにした方が早くまとまるでしょう。
パステルセミダブル(SW)
これも明らかにおちあいけいこさんの血を引くものですね。
上弁2枚が増えていますが、正面から見ると一重に見えます。実は初期の八重咲きはこんなタイプの門が殆どでした。
ここから花弁数は少なくても八重咲きの見える(立体的な花型)系統に進化させたのがおちあいけいこさんの偉業なのです!
八重咲きの進化の過程を知ってるものにとって、この「立体的な花型」こそがおちあいけいこさんの八重咲きの特徴の一つの認識。だから、パクられればすぐに分かるんですよ。
ひとまず八重咲きの遺伝子はありますので、ここからおちあいけいこさんとは別の八重咲きへと進化させていきます。
と、市販品種の変異株も持ってこられましたが、その中に八重咲きになりそうなものがあるじゃありませんか!
使えそうですね。市販品種の変異ですので、遺伝性があるかどうかはまだわかりません。
しかし、可能性が高いものを使うことが育種では大事です。
ペニーレッドブロッチ焼け。
以前は廃棄処分になっていたものですが、“焼け”が認知されてからはこぞって拾われるようになりました。
ただ、これも遺伝性は不明。
「焼けの系統もほしい」とのことですので、これら個体を活用して焼けを進めていこうと考えています。
スモークローズ小輪。
系統不明。焼けのようにも見えます。
今のところ、どのように使うかは模索中ですが、何かうまい活用方法を考えます。
ソルベファイヤーの反転咲き傾向が強いもの。
反転咲きも‘モンロースカート’が認知されてからは、皆さん大注目ですね!
「手元を探せば結構ある」との声もよく聞きます。見えていなかっただけなんですよ(笑)。
あちこちから拾われているため、同じ反転咲きながら全く雰囲気が違います。今後一番広がりが期待される花型です。
ただこれも市販品種の変異のため、遺伝性は不明。あっても、伝わらない場合も多いです。
これもここから進めていきます。
さて、社方さん、これらの選抜親株を多くの方に見てもらったとのこと。
それぞれに意見(好み)が違うし、どれを残したらいいかかなり迷ったご様子でした。
また好意的な意見もあった反面、「笈川さん、コウロギさん、大牟田さんに比べればまだまだ」とも言われショックだったとのこと。
選抜されたのは社方さんですが、種を提供したのは私ですので私もショックです(笑)。
そのショックをバネにして頑張らせていただきたいと思います!