コルシカとその周辺
さて、こんなタイトルを付けると、すわ領土問題か?と思いますが、全くそうではなくてビオラの原種の「コルシカ」のことです(笑)。
2年ぐらい前から、原種のコルシカが流通するようになりました。それがこれ。
コルシカ
この原種はその名のとおりイタリアのコルシカ島の原産です。ビオラの原種の中では大きくてそれ自体でも十分に観賞価値があります。
で、そのもの自体は間違いないのですが、表記の点で少々混乱を招きそうな気がします。
まず、「正式名」はこれは「学名」のことですね。出来れば、学名表記で「Viola.corsica」として有れば親切です。
そして、一番の混乱となりそうなのが「和名」の表記。
今のところ正式な和名はありませんが、もし付けるとするならば「コルシカスミレ」が妥当でしょう。
和名と言うのはいわゆる日本のものに当てはめて解釈することです。
例えば同じく原種のコルヌータはその花の形から「ツノスミレ(角菫)」となっていますし、アルベンシスは野原に広く分布することから「マキバスミレ(牧場菫)」が提唱されています。
「ツタンカーメン」は日本のもの(日本語、和語)じゃないですよね。
これはどちらかと言えば「商品名」でしょう。でもこの商品名も紛らわしい。
この苗の出回る前に笈川さんの品種で‘ツタンカーメン’がすでにあるので、私なんかはそこで混乱してしまいます。
そして、宿根は間違いないですが、いわゆる‘コルビネ’などの園芸種の「宿根ビオラ」と同様に日本で宿根するのかは少々疑問です。
原種の苗が流通することはとてもうれしいのですが、混乱を招くような表記は避けて頂きたいものです。
ビオラ・コルシカ
こちらは外国から種子を購入したもの。原種でも個体差がありますので、上の株とは若干形態や花型が違いますね。
‘ブルーオブパリス’
原種ではなく園芸品種として種子が販売されています。
コルシカが関わってるのは一目瞭然!
ラベルが外れたら分からないくらいよく似ていますが、つぶさに観察すると花型がやや丸みを帯びて茎葉の産毛も原種と比べたら少なめです。
なかなか思いどうりの結果が出ずに使いにくい原種です。
でも、それではいけませんので交配に挑戦しています。
コルシカ✕マイビオラhyラベンダー
マイビオラの遺伝性はこれまで述べてきたとおり。では、原種との交配ではどうか?
その遺伝性のとおりになりました。さてさて、ここからどうするか思案中です。
コルシカ×ルリタテハVar
コウロギさんの品種と交配してみました。
これまでいろいろな品種と交配してきましたが、この原種の紫色と縦長の花型が曲者で、色は濁るわ中途半端な花型になるわで、おまけにそれが代を重ねても抜けないわでそのほとんどが挫折してしまいました。
で、どうせなら気を狙わず、確実性をねらって原種に近い色と花型で交配して見ました。
結果は無難ですがここからスタートした方が確実でしょう。頑張らねば!
セミコルシカ
唯一残っているコルシカの交配種です。コルシカからずいぶんと離れちゃいました。
コルシカ使ってどうなのか?まだ答えは出ません。
そんな原種も展示しますので、どうぞおいで下さい!!
作品展のご案内はこちら ⇒ http://ameblo.jp/pansy-tane/entry-11440529995.html