ロベリアみたい!
昨日は久しぶりに朝方新燃岳の噴火(震災に比べればホント大したことはありませんね)。風向きが宮崎市内方向で午前中は灰が降っていました。
桜も一部では散り始めて、灰は舞う、桜も舞って散る・・・と、いささか不思議な風情?でした。
気温も高い日が多くなり、屋外の苗は元気ですが、ハウスの中の苗は弱り気味。
私の系統は暑さに強いと言ってもらっていますが、結局はこの暑さに大丈夫なものしか残らないので、結果的にそうなっている訳です。育種には土地柄も反映されます。
だから、宮崎よりも以北で育てるには春から先は丈夫かもしれません。
さて、今回はビオラの話題。
「ロベリアみたい!」
これは、今回圃場見学に来られたある種苗会社の方の一言です。
言われてみればまさしくそのとおり!本当にロベリアみたいです。当の本人は全く気付いていなかった。
品種は‘ハッピーティア’。
「幸せの涙(=うれし涙)」の意味です。
何度も紹介していますし、販売もしているのでご存知の方も多いと思います。
私の代表作みたいになってしまいました。洋風、和風のどちらの植栽にも合う品種です。
(関連のブログhttp://ameblo.jp/pansy-tane/entry-10160686060.html )
一番最初に選抜したのは濃いブルーパープルの色。
その中からまたまたピンク(ラベンダー)が分離しました。
このピンクは不思議な色で、日陰ではくすんだ感じに見えますが、太陽の光が当たるときらきらと輝きます。
見元さんの‘紅ロンド’も同じ性質で日陰ではくすんだ感じですが、光が当たるとそれはそれはきれいに輝きます。特に夕日が当たるときれいで深みのある赤です。
鮮やかな色を出すにはこの“くすみ”が必要。鮮やかとは真逆の形質が必要とは育種とは面白いものですね。
さて、このハッピーティア、今度はこのピンクが薄くなって白に近付いたタイプも分離して来ています。もちろんこれもOK。
「ロベリアみたい」。とてもうれしい表現です。このロベリアは一年草のロベリアですね。
でも、ロベリアにはクリーピングタイプの栄養系もある訳です。そうすれば、このハッピーティアをクリーピングタイプになんて考え方も出てきます。後は親選び、交配するだけ(‘ブルームーン’、‘チアフルイエロー’との交配なんていいかも)。
ビオラに別の花のイメージが加わることで、更にその花(ビオラ)の可能性(イメージ)が広がります。
いろんなものにイメージを重ね、それを具体化していく。そして更にイメージする・・・。
ハッピーティア、当初からすると雰囲気が違ってきていますが、これでいいんです。人も花も年を経れば成長するものなんです。そして、それが育種する意味です。