「キャッ」
「シっ、静かにっ」
手術室の中から聞こえてきた2つの声
誰かいるのか?
小さなロッカーに一斉に銃が向けられる
「みんな、銃を下ろせ。生存者だ」
あたしの言葉に従い、銃は下におろされた
こんなとこに隠れていたのか
「大丈夫です。でてきて下さい。私達は救援部隊です。あたしは大島といいます。安心して出てきて下さい」
あたしの呼びかけに、ゆっくりとひらくロッカーのドア
その中から出てきたのは2人の女性だった
「白衣っ!・・・ねぇ・・・君、医者?」
「あ、は、はい。外科医です」
こんな、偶然があるだろうか。
今から不安しかない手術を前に、医者を発見できるなんて
「よ、よっしゃーーーー」
大声をはりあげたあたしに、ビクッとしたその女性の後ろから
「ちょっとあんた、びっくりするじゃない。大きな声だすから、まひるが怖がっちゃったじゃないの」
「あ、ごめん。先生、こいつを見てくれないか?」
「あ、は、はい」
先ほどより壊死の箇所が広がる手首を、この医者は「あ、壊死してます」って誰がみても解る事を言った
大丈夫だろうか・・・この医者。背も小っちゃいし、まだ顔も幼いし。
「うん、で、ここからあなたにお願いしたい。この壊死した部分、切り取ってくれ」
「ふえっ?」
「説明してる暇はないんだ。どんどん広がってしまう。切れるの?切れないの?はっきりしてくれ」
「切れます!だって私、医者だもん。」
ぷくーと頬をふくらませるこの医者の後ろで、「ふふふ」と笑うもう一人の女性
「もう、NANAさん、何わらってるんですか。NANAさんも手伝って下さいよね」
「ふふふ、はいはい」
「え?この方も?医者?」
短い真っ赤なスカートをはいた、ナイスボディーの女性は、どうみても医者には見えなかった
「一応ね~。ま、よくわかんないけど、急いでるようね、まひる、やるわよ」
ちっちゃな医者に比べて、なぜか自信満々なこの女性
なんとも対照的な2人に、あっけにとられているメンバーを
「そんじゃ~他の人は邪魔だから~出て~」
と追い出す背の高い方
なんか、誰かに顔が似ているよな・・・
「あ、私、看護師です。指示下さい」
「そーねー、じゃあ、この子の血、用意できる?手を切り落とすんだもん。いっぱーい必要になるかも」
「あ、はい。じゃあ、B型のみんな、この部屋に入って」
てきぱきと指示をだすあっちゃん
2人の女性は手術に必要な道具を運び出していた
その中央に寝かされた彩の方に近づく
「彩、良かったな。もう少しで、あたしがお前の腕を切っちゃうとこだったよ」
「あはは、ほんまホッしました」
「・・・絶対、大丈夫だからな」
「はい。・・・優子さん、」
「ん?」
「また相撲しましょうね。片腕でも負けませんよ(笑)」
「おう」
「あ、美優紀は?」
「あはは、あいつなら『1番最初に彩ちゃんの体にながれる血は絶対に私の~!』って、すでに血とってるよ。他のメンバーも我先にって。あっちゃん忙しそうだわ」
「ほんま、あほや・・・みんなに、ありがとうって伝えておいてもらえませんか」
「自分で伝えろよ。・・・・じゃ、またな、彩」
「はい、また。優子さん」
準備の整った医者に一礼をして、あたしはあっちゃんのもとに向かった
「あっちゃん、あたしからも」
「うん、わかってる。そこで待ってて」
彩
あたしの血も、お前の中で流れるぞ
みんなの想いがこもった血液が、お前を絶対に助けるからな
神様・・・
もう1度、奇跡をみせて下さい
※小嶋さんではありません、NANAさんです
※大島さんではありません、まひるさんです
強引な登場です


