※フィクションです




港に3人残して出発した私達

船の操縦を、さしはらに任せ無人島をめざして進む


出向から8時間すぎた頃

「たかみなさん、あの島です」
隣にいた北原が指を指した


「あれか」


遠目でも見える家らしきもの。そしてちゃんと桟橋まである
ここには確かに人が住んでいた形跡が残されていた


「あ、見て下さい。山の方に野生のヤギがいますよ」
「あはっ、ほんとうだ」


島が近づくと、どんどん甲板に人があふれ出てきた
きっと、みんなの心の中には期待と不安がいっぱいだろう
その不安を取り除いてあげる事
それが当分の私達に課された使命


「さしはら、この島をぐるっと一回りできる?」
「はい、任せて下さい」
「一通り見て、それから偵察隊を送ろう。みんなを上陸させるのはその後だ」
「はい」




2日かけ偵察した結果、ここは安全な場所だった


島には、野生のヤギ、豚、牛、鶏がいた
さしはらと北原が言った通りの島
綺麗な川に、そこを泳ぐ川魚
綺麗な島だ・・・


木々の隙間から、心地よい風が流れた

久しぶりに感じる安心感



でも、ここからだ


未来は、自分達で切り開いていかなければ




◆◆◆  ◆◆◆



「ニャロ、何か食べないともたないよ」
「・・・食欲ないからいい」


陽菜と麻里子と3人、港にある建物の中にいた


たかみな達が出発して3日
無線が通じないから、向こうの状況がわからないが、きっと無事についてる頃だろう

状況がわからないと言えば、優子だ


あいつ・・・何してんだよ・・・

陽菜はずっと外を見つめている
いつくるかわからない、優子の姿をずっと探している



「陽菜、少し休みな。私、見てるから」
「大丈夫」


そうは言っても、最近陽菜の顔色が悪い
たまに吐いたりもしてるし

これじゃ、優子に会う前に陽菜がつぶれてしまう



「陽菜、優子の姿が見えたら起こすから。ちょっと眠りな。そんな顔色じゃ、優子とあった時に私が怒られちゃうよ」


冗談ぽくいうと、少しだけ微笑んで「絶対起こしてね」と言って、横になってくれた

相当疲れていたんだろう
横になったとたんに、スースーと寝息を立てて眠りにつく陽菜
その横には、それを見守る麻里子


「才加」
「ん?」
「ニャロの事だけど」
「陽菜が?どうした?」
「ん・・・陽菜、妊娠してるかもしれない」※
「は!?」
「ニャロ自身もはっきりしてないから、内緒にしててって言われていたんだけどさ」
「ま、まじか・・・」
「篠田も、つい最近相談されたんだけど。月のものがこないって」
「ど、どれくらいきてないって?」
「3ヶ月」
「3ヶ月か~精神的なものって線は」
「篠田もそれ考えたんだけどね」
「あー、もうこんな時に、なんであいついないんだよ」
「まったくだ。ニャロも優子と合流した時に、相談しとけばよかったものを。ゆうちゃんに心配かけたくないからって」
「おいおい、だよ」
「ほんと・・・おいおい!だな」


2人同時に陽菜の寝顔を見て、フッと笑う


「優子にこんな話したら、あいつ慌てるだろうな」
「そうだね。慌てて、喜んで、泣いて、服脱ぎ捨てて踊りだすだろうな」
「ははは・・・たく、早くも顔みせろよ、ばかやろう」
「まったくだ・・・」




その時、陽菜の寝顔を見て、篠田と才加は誓った


優子にもしもの事があれば、私達が陽菜の力になろうと