塾選び〜サピックスかそれ以外か | 2025年に中学受験する娘と受験に失敗し続けた弁護士パパの奮闘記

2025年に中学受験する娘と受験に失敗し続けた弁護士パパの奮闘記

2023年の中学受験を完了した息子と、2025年(24年2月現在新小学6年生)の中学受験を目指す娘とパパの奮闘記。

こんにちは。こんばんは。

 

すでに塾では夏期講習が始まっておりますので、いまさら感は否めないのですが、我が家の塾選びについてまとめておきたいと思います。

 

現在小学4年生の息子は、今年の2月からサピックスに通っていますが、このときの塾選びは、それほど迷うことがありませんでした。サピックスが自宅の近くにあること、2年生の時の夏期講習に参加してみたところ特に不満や違和感はなさそうだったこと、子供なりにサピックスの合格実績が圧倒的であることは知っており、サピックスに行ってみたいと希望していたことなどから、ほとんど迷うこともなくサピックスに通わせることに決めました。

 

しかしながら、下の子(現在小学2年生)の塾選びは、それなりに迷うことになりそうだと感じています(いかにも、サピックスに向いてなさそうな感じがするので。。。)。そこで、今のうちに、塾選びの考え方を自分なりに整理しておこうと思います。

サピックスかそれ以外か

物理的に自宅が遠くてサピックスには通えないということでもない限り、(少なくとも関東圏で)中学受験の塾選びをすることになれば、サピックスに行くのか行かないのかについて検討することは不可避でしょう。

 

毎年公表される合格実績は圧倒的ですし、それだけの合格実績を安定してたたき出すためのリソース(講師の質や合格へのノウハウ)が、それなりにそろっていることが推察されます。

 

しかしながら、息子を半年サピックスに通わせてみて、下の子を通わせるのはどうだろう、と思うようになりました。

サピックスに向いていないタイプ

  1. 最難関校(御三家・国立)を志望していない
  2. 親が子供の勉強の面倒をみることができない
  3. 定量的な評価(タイムや得点)に対するこだわりがない

順番に説明したいと思います。

最難関校を志望していない

子供を実際にサピックスに通わせて実感したのは、全ての教材が、最難関校に合格するために最適化されているということです。

 

そして、クラスの上位・下位に関係なく、全てのクラスにおいて同じ教材が使用され、下位クラスでは、「この問題は手を付けなくて良い」といった形で難易度の調整が行われることになります。

 

そのため、最上位クラスの生徒以外にとってみれば、もう少し基礎的な説明や類題が充実しているような基礎的な力を身につけるのにより適した教材があり得るはずです。難易度の高い問題には手を付けなくて良いと指導されたところで、その代わりに、平易な類題が与えられる訳ではありません。

 

子供が、最難関校に行きたいと思っているのか(あるいは親として最難関校に通わせたいと思っているのか)、そうではないのかは、サピックスを選択すべきかどうかの決断にとって大きな要素となるように思います。

親が子供の勉強をみることができない

つい最近まで、私も、子供の塾の勉強の面倒は一切みておらず、完全に妻任せでおりましたが、サピックスから与えられる膨大な宿題を、子供が自律的・自立的に有意義にこなすことは、ほとんど不可能だと思います(妻と子のバトル、家庭崩壊の危機についてはこちらを参照)。もちろん、一部の天才児は除きますが笑

 

この点は、息子の塾選びをしていたときには、私には全く欠けていた視点でした。塾に通わせれば、勝手に自分で宿題をやるだろう、そして、まあまあ、そこそこのところに入ってくれればいいなぁと、かなり無責任に考えていました。要するに、基本的には、塾に子供の面倒を見てもらおうと考えていたわけです(そのためにお金を払うんだ!と。。。笑)。

 

しかし、これがどれだけ楽観的に過ぎる考えだったかは、妻と子のバトルが日増しに激しくなるのに比例するように、自明となっていきました。我が家では、家庭教師を雇い、私が本格的に子供の勉強を見るようになって、ようやく落ち着いてきました。

 

ともかく、このバトル中に起こっていたことの一つとして、「宿題をやってきたと見せかける」ためなのか、うちの子供は、ひたすら解答を丸写しするということを頻繁に行っていました。宿題の目的は、「授業で習った知識を復習して定着させ、さらに応用・発展的な問題を解けるようになるための練習をすること」のはずですが、あまりの質と量に圧倒され、いつの間にか「こなすこと」それ自体が、いや、「こなしたふりをすること」が目的となってしまっていました。

 

このような事態を回避するためには、少なくとも、ある程度の自立走行ができるようになるまで、親がスケジュールを組んであげたり、場合によっては取り組まなくて良い問題を指定したり、能率的な勉強の仕方を教えてあげる必要があります。そして、これをするためには、教科の内容自体を完全に理解している必要はないものの、「どういったタイプの勉強が必要になるのか(いわゆる「スピーディー」と「スロー」の学習なのですが、これについてはまた別の機会に)」といったことが必要になってきます。

 

したがって、共働きで、夜も遅く、週末も子供との時間が取りにくいという方は、自宅での圧倒的な復習を求めるサピックスではなく、むしろ面倒見の良いことで知られる塾を選ぶか、あるいは、家庭教師による助力を得ることを前提に、サピックスを利用することを考える方が良いと思います。

定量的な評価(タイムや得点)に対するこだわりがない

最後にもう一つのポイントとして、サピックスに通い続けるには、タイム(徒競走、水泳、マラソン大会などの)や点数など、明確に、かつ、1秒1点という微差によって、明確な上下関係が生じるとという序列化に対して、大きなアレルギーがないことが挙げられると思います。

 

中学受験をするのであれば、遅かれ早かれ偏差値による序列化は避けられないですし、いずれにせよ社会に出れば数字で評価されることになるので、早いうちから耐性を身につけておくことは有用だとの考え方もあるかもしれません。

 

しかし、精神的な成長(社会に対する信頼感と、十分な自己肯定感の醸成)が十分に行われないまま、子供を数字の競争に曝してしまうと、子供にとって、取り返しのつかない、心理的に重大なダメージを与えてしまうかもしれません。この点は、下の子の塾選びの時にも、十分気をつけようと思っています。

予習中心か復習中心か

よく、「四谷大塚は予習中心で、サピックスは復習中心」と言われ、あたかも両塾の特徴を示す言葉として流通しているようですが、この違いは、あくまで相対的な違いに過ぎない(要するに、それほど気にする必要はない)と、個人的には考えています。

 

サピックスにおいても、授業で詳しく説明がなされるのはあくまでも一部分(その単元の核心となる部分)にすぎず、それ以外の部分については、「復習」という名の下で行う「予習」であることも少なくないです(4年生の学習であれば、理科が、この傾向が顕著だと思います。)。むしろ、「サピックスは復習が大事」ということが強調されすぎると、「授業中に取り上げられたこと以外はそれほど重要ではない」といったような勘違いをしてしまう可能性すらあり、危険です。

 

よく、専門的な学問を修める際には、「まずは、概説のような薄い本を読みなさい。個別の分野に特化した専門書を読むのは、その薄い本を習得してからにしなさい。体系的・総論的な理解無しに、網羅的・各論的な知識を身につけても汎用性がない。」といったことが言われますが、サピックスでは、「授業=概説」であって、個別にどの程度の専門的な知識を身につけるかは、あくまで個人に任されているというような印象を受けます。

 

個人的には、長く生きていく人生において役に立つのは、「復習力(言われたことを身につける力)」というよりは「予習力(自ら切り開いて身につける力)」ではないかと思っています。しかしながら、どの塾に行くにせよ、新しい単元についての学習が一通り終わるまでは、復習の重要性は変わらないですし、習得すべきことの全てが授業で取り扱われるわけではないことも同じであるとすると、「予習か復習か」といった価値観の軸は、塾選びとの関係で、それほど大きな要素ではないと思っています。

 

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