特別な酒 | 青筋番長 おぴんぴんブログ(シャワールームで捕まえて)

特別な酒


♛ 特別な酒を開ける ♛
ウイスキー
♛ 特別な物は 人によって作られる ♛




きのう
ウイスキーの話してましたら

ついでに
こんなこと思い出しました。




【 親父に酒 】

大昔の話になるんですが

私「初任給」もらったとき
「親父」に酒を買って持って行きました。

親父に酒

それが
ウイスキーでした。

(親父はもう十数年前に死んでます)




薄給で買った酒

それは当時、自分にとって高い買物でしたが
高級品とは程遠い品でした。

「ワイルドターキー」
アメリカのバーボンウイスキーであります。

化粧箱に入れてもらいました。




酒を渡すと、親父は特に礼を言うでもなく
吽(うん)と言って受け取り

そのまま知らん顔してました。

素っ気なかったです。

私も別に気が済んだんで
満足して終了

その事は以後、忘れていました。




そして10年くらい経って
母からこんな話を聞いたんですね。

親父は
「まだその酒を飲んでないらしい」
という事でした。



どっかに仕舞い込んで
飲み忘れているのではなくて

「これは特別な酒だから」
と言って
あえて飲まないでいるみたいでした。

事ある毎に取り出しては
手に取って嬉しそうに眺めているものの

開けようとしなかった。

これは

いつか祝いの日に
「あいつと一緒に飲む酒だ」と言って
飲まなかったようです。

「あいつ」とは
私のことであります。




その酒の事は
私はすっかり忘れてしまっていたんですが

親父のほか、母や
当時実家に同居してた実姉の一家全員が

その酒は
特別に親父が大事にしてる酒という認識で
承知されていた模様です。

私だけが知りませんでした。



祝いの日の酒

まあね、こう見えて私だって
今までの人生で(人並みに)祝いの日くらい
何度かありましたので

その酒はその時一緒に飲みました。

死ぬ前に
ちゃんと親父には飲んでもらいました。

(何の祝い事だったかは忘れました)




で面白かったのが

その酒の封を開けたとき

実家だったんですが
いよいよ特別な酒を開けるという事で
家族全員集まって来まして

わいわい言いながら
「拍手」の中で開封したんですね。

高級酒でも何でもない
ワイルドターキーだったんですけど。

その酒はいつの間にか
家族みんなの特別な酒になってたのでした。

(家族はいいなと思いましたね)




そんな思い出です。



ありがとうございました。