ゆっくりと動き始めたヤツは只成らぬ重量感を感じさせ大型である事はすぐに理解出来たが動きが妙である。
ランカーシーバスかモンスター級のボラのスレ掛りだろうか?
そう考えていると、突然ヤツは対岸のひでごろさんの職場方面に向かって走り始めた!
数十m程走り止まったのでここで一気に寄せにかかる、
残り10m位だろうか?暗闇なので姿は分からないが水面に出る波紋でとんでもない大物である事だけは理解出来る。
意外と楽にランディング出来るかも?と思った瞬間!

ヤツは反転し、またもひでごろさんの職場の方に走り始めた。
そしてどんどん加速していき今までに無い勢いでレアニウム4000XGからラインが引き出されて行く、(ドラグはユルユルではないんですが・・・)
このランを止めたい衝動にかられるがラインはPE0.8号、フックは5番なので無理をすればあっという間にどちらかが吹き飛んでしまう予感しかしない。
とにかく耐え続けやっとランが止まったのでライトを点灯しラインを確認すると、
150m巻いているPEラインの下巻きがうっすらと見えている。
恐らく100m以上は走られているであろう(汗
とにかくこのままではもう一度走られれば終わりである。
ヤツの動きが鈍い今の内に可能な限り巻き取るしかない。
小さくポンピングしながら慎重かつ素早く「XGギアありがとう」と心の底から思いながら巻き取っていく。
半分位巻き取ったと思われる辺りでヤツがまたも反撃に出る!
そしてまたもひでごろさんの職場の方に突っ込んでいく!

こいつ、ひでごろさんLOVEなのか?!(笑)

などと考えている余裕もなく、なんとか耐えていると今回も止まってくれたので、すかさずラインを確認すると、

さっきよりももっとヤバイ!

恐らく20m位しかラインが残っていない(汗
とにかく多少強引にでも巻き取っていかない事にはどうしよもないのでひたすら巻き続ける。
ある程度巻き取ると今度は下流に向かって走り始めた。
ドラグを締めたいが急に走られた時に対応出来そうにもないので左手でサミングして可能な限りテンションを掛ける事にする。

スプールに触れると気のせいか熱いんですが・・・

自分も下流側にズルズルと下りながら(引きずられながら)なんとか相手をいなそうとするが、関係なく、そしてトルクフルにヤツは下流に向かっていく。
テンションが目一杯掛かっている為、シマノディアルナ906Mがかつて無い程バットからひん曲がっている。

だが、「流石ディアルナM、びくともしない」
(流石ゴック・・のつもりで読んで下さい)(ガンダム分からない人ゴメンなさい)

少し下流でうなぎ釣りをしていたオッチャンに仕掛けを上げてもらい、
更に下流に引きずられて行き・・・

気が付けば腰の辺りまで水に浸かっている状態で、これ以上深みに連れて行かれると自分が帰らぬ人になりかねないので、少しづつ岸側に下がっていく。
そして下がりながらラインを巻き取って行くのだが、正直な所ポンピングでは寄って来ないのでこれしか方法がない。
しかしヤツもすぐに反撃に出て深みに引きずられてしまう。

こんなやりとりを何回繰り返しただろうか、身体は疲れきりヤツの正体にもほぼ気が付いていたが、
「これはきっとモンスターサイズのアカメだ!(笑)」と自分を奮い立たせ、
注)この辺にアカメはいません
ヤツとの綱引きというか、我慢比べというかをひたすら続けていた。

途中時間を確認した時点で0時を過ぎていた(笑

気が付くと元居た場所から数百mは下がって来ている。
そしてこれ以上の下流には陸地は一切なく、これ以上進むと冗談ではなく海に引きずり込まれてしまう!
振り返ると60~70m上流に小さな中洲が見える、ここで取り込む以外に方法はない。

少しづつ上流に向かって下がろうとするが、
ヤツは右に左に走って中々下がる事が出来ない。

ヤツと格闘を続けていると遠方でヤツの体の一部が見え隠れしている。
工場の薄明かりに照らされるそれは、黒く大きな三角・・・

え?サメ?!

あれが背ビレなら1mどころの騒ぎではない!
しかしここまで来ては後には引けない、意を決して寄せに掛かる。

少しづつ近づいて来てぼんやりと姿が分かりひと安心する。
(自分は夜目が効く方なので人によってはまだ判別不能の距離です)

サメではなかった、ヤツが体を立てて抵抗していたのである。
実はサメは釣った事が無かったのでちょっと残念だったりもする(笑

しかしこういう抵抗をされては全然寄って来ないのも納得である。

そしていよいよランディング、

波に乗せて中洲に上げようとするがデカ過ぎて上げきれない。
仕方がないのでヤツの長い尻尾を手に巻き付けて一気にずり上げる。
(良い子はマネをしないでね)
ちなみにこれは以前にも使った事のある必殺技である(笑

砂浜に横たわるその姿はまさしく、

モンスター!

時間を確認すると0時53分!
実に1時間半も格闘してました(笑

その正体はモビルアーマーグラブロ・・・
ではなく
トビエイでした(詳しい種類まではわかりません)
以前にも釣った事があるがこいつはデカイ!余裕のメーターオーバー。
ずり上げる時も20kgの肥料よりも重く(この辺が農家的表現)1枚目画像の口の横に少し見えているルアー、14cmあります。

フックが伸びているのはあまりにガッチリ掛かっていた為に伸ばして外しました。
今までに釣り上げた中で間違いなくレコードです。
第2位もトビエイです(苦笑)
トビエイの表彰台独占を防ぐには本当にモンスターアカメでも釣らないとヤバイです(笑)  いうか文字のサイズをいじったら行間がおかしくなって戻せません。
タックルスペック
ロッド、シマノディアルナ906M リール、シマノレアニウム4000XG
ライン、ラパラPE0.8号 リーダー、ナイロン6号
ルアーダイワショアラインシャイナーSL14
いやあ長々と書きました。