あれは、いつ頃の事だったろう。季節は、丁度、今時分のように記憶している。


左側通行の車道に接した歩道を、自動車が進む向きと同じ方に、僕は歩いていました。すると、後続の車に、次々に追い抜かされながら、制限速度よりも遥かに遅いスピードで、一台のスカイラインが僕の横を通り過ぎていく際、不意に、助手席のドアが開いて、その刹那、女性が一人、転げ落ちたのです。

何事かと、僕は立ち止まり、その方を見遣りました。運転席側から、手が延びて、助手席側のドアを閉めようとする、若い男の姿を確かに認めました。そのドアが閉められると、スカイラインはギアを切り替えて、加速し、走り去りました。

実は、驚いたのは、ここからです。

徐行程度だったとはいえ、どうやら、走行中の車から突き落とされて(蹴り落とされたと見ますが)、路上に叩き付けられながらも、身体がアスファルト上を二、三回転する流れのまま、立ち上がった女性は、その後、自分を労わるでも無く、置き去りにして行った車を追いかけ始めたのです。

僕は、大袈裟じゃなく、化け物かと思いました。チーターが二本足で走ったなら、屹度、こういう感じだろう、、、、イメージをタブらせる程の、ダイナミックで、しなやかな走行でした。

しかし、やはり、彼女は人間で、、、、途中、諦めて、立ち止まり、暫く、遠ざかる車を見送りながら、肩を上下に揺らしていました。呼吸が整ってから、彼女は何を思ってか、走行中の自動車より転げ落ちた地点の方へ、踵を返し、戻って来るでは有りませんか。

何かを落としたのかも知れない、、、、僕は思って、目を車道側の路上へと彷徨わせました。しかし、目立って、何も落ちていません。そうしている内、彼女は、近くまで戻って来ていました。

彼女は、僕との目が合うなり、、、、「何?」と問うてきました。
僕は戸惑いながらも、、、、「大丈夫?」と返しました。
すると、彼女は頷きながら、、、、「良し」と言いました。

これ以上、僕と絡む必要を感じなかったのか、彼女は、又、真っ直ぐに歩き出し、この場より立ち去って行きました。


どんな事が有ろうと、女性を走行中の車から突き落とすのは論外なんですが、、、、あの女性が、ああいう目に会うのも、ある意味、必然なのかな、とも思いました。

彼女は、極めて、要求度の高い女性なのでしょう。所謂、Mっ気が強いタイプです。
Mの女性が従順で、御し易い、というのは、完全に、男の幻想に過ぎず、、、、彼女達は、「ああして欲しい、こうして欲しい」と、常に能動的で、変わらずに求め続けます。それに応じられなければ、男など、只の棒っ切れでしかなくなるのです。そうして、罵倒され続けるのが落ちです。

残念ながら、この手の女性の欲求を満足させられる程のキャパシティーは持ち合わせておらず、恐らくは、縁が有っても、先述とは違う形ながら、同じく、放り出してしまうに違いありません。

だからといって、Sっ気の強い女性が好きな訳では有りません。何でも彼でも、二者択一の構造を設けて、判断の頼りにするのは誤りです。出来れば、正直、どちらとも関わりたくは有りません。もっと言えば、一人の中に、両方の資質を兼ね備えている場合が殆どですから、要は、バランスの問題ですね。身も蓋も無くなりますが・・・。

又、一概には言えませんが、、、、Mの割合が比較的に強い女性は、実際の好みとは逆に、恐らく、「(女性からの)要求が通り易い」との理由で、自信家で、主張の強い男(得てして、こういうタイプは、思い込みも激しく、勘違いが多くて、扱い難い)よりも、気が弱く、他人の意見を吸収しがちな男を好きになる、その傾向に有るのではないでしょうか。しかし、自立心に乏しいが故に、日常的な場面での齟齬が生じ始めます。そうなると、母親的な作業も兼任しなければならず、不満も募ります。とはいえ、「最大限、求めに応えようと努めてくれる」という点で、それなりの可能性が見込める為、仮令、情けない男ながら、見捨てられないのです。

つまり、男の側から突き放さない限り、関係が解消されないのかも知れません。ただ、女性を車から突き落とした男が、このタイプだったか、如何か、定かでは無いですが・・・。


最後に、、、、此処に記した叙述の全て、邪推を含んだ、個人的な見解で在る旨、お断りして措きます。


                                                             
                                                  omlife


昔々、ある所に子供のいない老夫婦が住んでいました。

ある日、お婆さんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れて来たので、お爺さんと食べようと持ち帰りました。

二人で桃を割ると、中から、鬼が島領の物と思しき、不明瞭な会計事務の実体が記された“裏帳簿”の何冊かと、そして、たくさんの金銀財宝が出て来ました、、、、とさ。


おしまい


帽子を被っても、別人にはなれない。

マスクも然り。

眼鏡を掛けようが、人間の印象は大して変わらない。

いや、余程、注意していなければ、仮令、知り合いに出くわそうが、誰も気付かないのかも知れない。

要は、変装したがる側の、意識の問題なのだろう。

別人になろうとして、周囲の目を気にするが余り、挙動不審の態を顕してしまう。

僕は、手袋をすると、自分じゃなくなるような気がしてならない。

お察しの通り、何処に行こうが、その痕跡を残さずに済むような感じがするからだ(実際、犯罪行為に関わる訳じゃなく、単なるイメージ、、、、ヴァーチャルに毒されてる?)。無論、それは、“感じ”がするだけの事だ(文字通り、“足跡”とかを残してくる場合だって、当然、有る)。

ただ、もう、この時期だと、幾ら堂々としていようが、周りからは充分に怪しがられるけどね。

冬季限定の空想プレイを紹介しました。