200年間の非同盟の終了 | ぱね便り(旧:V町便り)

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スウェーデン暮らし12年目。おかしいな、いつの間にそんな時間が経ったのだ?と、毎年同じことを考えています。

最後までごねていた(というか最後まで嫌がらせを続けていた)オルバンがやっとスウェーデンのNATO加盟を了承したので、今夜、スウェーデンの200年間にわたった非同盟中立政策が事実上、終わりを告げました。

非同盟中立、という建前ではあったけど、東西冷戦下でも冷戦後の世界でも、スウェーデンはNATO諸国と常に足並みを揃えていたので、非同盟中立もなんというか形骸化していたような印象はあります。ただ、第二次世界大戦の時ですら、周囲の全ての国が戦争に巻き込まれていた中で、形の上では「中立」を守り続けたこの国が、ついにその政策を手放す時が来たというのがね・・・

全てはあの誇大妄想狂のロシアのハゲのせいだ。

あの野郎の最大の誤算は、「たかがコメディアン上がり」だと完全に甘く見ていたウクライナの大統領が、亡命もせずに国に残り、徹底抗戦することを決めたことだったのだと思う。あのハゲは、ちょっと脅せばキエフなんか、あっという間に落ちるだろうと思っていたはず。ゼレンスキーがまさかここまでがんばるとは、正直なところ、世界の誰も思ってなかったのではないかと思うのだが(私も思ってなかった。かわいそうだけど亡命するしかないだろうと想像していた)、あのハゲがその筆頭だったはずだ。

ゼレンスキーは明らかに過小評価されてたけど、あのハゲは逆に、過大評価されてたんだと思う。「まさか」こんな愚か者だったとは。「まさか」これほどひどい誇大妄想狂だったとは。「まさか」ここまで頭のネジが外れている狂人だったとは。

そしてロシアで、「こんなの」が政治的に揺るぎのない地位を築いてしまっていたとは・・

おそらく、誇大妄想っぷりと、ネジのハズレっぷりと、猜疑心と劣等感の塊である点では、あのハゲはスターリン級であるに違いない。ロシアは過去30年で、とんでもない化け物を育ててしまったのだと思う。

ロシアがあらゆる意味で「途方もない」国であることは前から感じていたし、だからこそ私は、ロシアのことをもっと知りたい、と思うようにもなったのだった。2018年にモスクワの赤の広場に立った時のあの気持ちは、一生忘れない。また来よう、今度はもっとちゃんとモスクワを見て、そしてついに、ヴォルゴグラードに行くのだ、と心に決めていた。それができなくなる日が、こんなにあっという間に来るとは、夢にも思っていなかった。

ロシアがウクライナを全面侵略することに何のためらいも持っていないことを目の当たりにしたスウェーデンとフィンランドは、2022年2月24日の後、即座にNATO加盟を申請することを決めた。あの時、スウェーデンとフィンランドでは共に社会民主党が政権の座にあったため、ロシアのウクライナ侵攻に対する対応に関して、両国は政治レベルで相互にものすごく密接な情報交換をしていたそうだ。スウェーデン側がびっくりしたのは、スウェーデン以上にフィンランドが「NATO加盟」にすぐに動いたことだったそう。フィンランドは過去の苦い経験から、「もう誰も信じない、絶対にどこの国とも同盟しない」を国是にして生きてきた国。その国が、一切の迷いを見せずにNATO加盟に動き出したことが、スウェーデン側にとっては大きなショックだったのだそうだ(と、スエのとある議員さんが言っていた)。

それでスウェーデンも「一気に目が覚めた」というところがあったのかな・・と、なんとなく想像。

ともかくこれで、北欧諸国は全部がNATO加盟国になる。北欧諸国が、同じ国防政策を取るのは、

500年ぶり

なんだそうで・・・

500年前って・・・ええと、1524年頃?そんなところまで遡るのすかー。ところでそれ、何だったの?

・・と、ちょっと調べてみた。多分、カルマル同盟のことかな?

 

 


この辺の歴史に詳しい方、いらっしゃったら教えてくださいな。

NATOの事務総長は、私が心から愛する(=つまり顔がものすごく好みであるところの)イェンス・ストルテンベリである。さっきSVTのニュースを見ていたら、ストルテンベリがSVTの記者の(スウェーデン語での)質問にノルウェー語で答えていた。彼はNATO事務総長としてとんでもない重責を負っているので、スウェーデンだからどうこう、ということは全くないんだろうけど、やっぱりノルウェー出身の立場としては、お隣さんであるスウェーデンの加盟に特別な気持ちはあるだろうなあ・・と思う。

そういえばストルテンベリは、2011年のあのノルウェーでのテロ事件の時に首相だった人なのだ。もう彼は、大変な時ばかり重責を負う立場にいる、という運命を背負っているのかもしれない(泣)。

スウェーデンが正式に加盟国になるためには、まだあといくつか手続きが残っている。オルバンという最後の障壁が乗り越えられたことで、あとは大きな障害はないようだけど、NATO加盟国になることによって、スウェーデンもいろいろなことがさらにシビアになっていくんだろうな、という気もする。

そして、ヨーロッパ地図を見ますと、これで中立国はスイスとオーストリアだけになったようであります・・

この2カ国は、あのハゲ野郎の凶暴性を目の当たりにしても自国の永世中立を変えようという気には

全く

ならなかったらしいので(多分ね。そもそも法的な根拠がスエなどとは全然違うらしい)、ホンモノの筋金入りですな・・