前々から気に食わない(かれこれ9年以上気に食わない)んですよ!

何が気に食わないって、ベルトの張り方ですよ!
これはウチのパンダに限らず、昔のクルマに多かった方式なんですが…

こんな感じになってる訳ですよ。


赤いのがベルトですよ。
このベルトを張るには…



青い線がタイヤレバーで、赤い矢印の方に引っ張っておいてボルトを締めてオルタネーターを固定する訳ですよ。

いい加減過ぎるだろメーカーさんよ💢

左手でタイヤレバーを煽って、右手でボルトを締める…張り具合が見れません。
オルタネーターを固定してから、貼り具合をみて、張りすぎたら少し緩め、張りが弱かったら強めに張り直す…

そもそも、貼り具合は『勘』でしか無く、弱い分にはベルトが鳴くので分かるが、強すぎる場合はずっと後になってベルトの寿命が短かったり、それならまだマシで、オルタネーターのベアリングが早めにダメになったりする。

そもそもこの『タイヤレバーを使って各自テキトーに張ってくれ』と言うメーカーの態度が気に入らなかったのだ。
作るならちゃんと作れ‼️
そして測定器を使って数値を示せ‼️

この図の様にタイヤレバーが入り易いならまだ分かるが、実際にはまともにタイヤレバーが入らず、
『どうやって張れって言うんだよ‼️💢👹』っていうケースが多かったのだ。

そしてその際たるモノがウチのパンダである。

まずエンジンルームからの眺めがコレだ。



まずどうやってオルタネーターにタイヤレバーを掛ければ良いのか分からない。
と言うか、本来はこんな所にオルタネーターは付いていないのだ。
無理やり後からクーラーを設定した為に、オルタネーターは移設する羽目になってしまったのだが、そのやり方がめちゃくちゃで、ベルトを調節する事を全く考慮していないのである。

コレを作ったヤツは、世界中のパンダ整備士から罵倒されるべきだ💢


こちらがパンダのオルタネーターである。


まず、そもそもが変わった作りである。
赤い矢印が支点になるボルト穴で、青い矢印は何故か長穴になっている…
長穴が空いた取り付けステーを使えば済む事なのに(普通はそうなっている)、何故かオルタネーター本体が長穴になっている。

…そもそもこれが厄介の原因である。

本来の取り付け方法はこうである。

下のボルトを支点にして、上の長穴でベルトの張り調整を行うのである。


それがクーラー取り付けでこんな事になってしまっている…


本来調整用の長穴が支点に、本来支点となる下側のボルトに長穴が空いたステーが取り付けられている。
上下両方とも長穴であり、ちゃんとした支点が存在しないのである。
そもそも、ベルトを張るために支点のボルトを緩めたら、そこは長穴なので横にズレてしまう…

実はそのズレ防止の為に、もう一本ボルトが入っている。


この時点で、おかしいと気がつく人もいるだろう…
上側の長穴に2本のボルトが刺さっていたら、全部のボルトを緩めようが、オルタネーターは動かなくなってしまうはずである。

実はオルタネーターの上側のボルトが刺さってるエンジン側は、こうなっているのである。

支点ボルト穴を中心とする円弧状の長穴が空いており、貫通したボルトをナットで固定する様になっているのである。

もう、めちゃくちゃである‼️
どこの世界に支点が2本のボルトで留まってるオルタネーターがあるんだよ💢

更に追い討ちを掛けるのが、コイツの存在である。


厚さ2cm程のスペーサーが、オルタネーターと取り付け取り付けステーの間に挟んで有る。

この取り付けステーと言うか、アダプターと言うか、デカい鋳物なのだが、コイツはクーラーのコンプレッサー取り付けベースなのだ。
とても巨大でエンジンブロック下面から、シリンダーヘッド横まで伸びている。


コレさあ…このデカい鋳物の取り付けベース…
寸法間違ったんだろ⁉️💢


ベースにオルタネーターを直にボルト留めすれば良い話なのに、なんで2cmのスペーサーを挟んで取り付けてるんだよ?
わざわざそんな事する必要は全く無いんだよ。
スペーサーを別パーツで用意する意味が無いんだよ。

そもそも、支点のボルトが入るのが長穴なせいで、位置が安定しないのに、更にスペーサーが入るせいで、ボルトを少し緩めただけでオルタネーターがグラつくんだよ💢

スペーサーの作りも酷いだろ💢

ボルト穴が2個空いてるなら分かるが、なんでスペーサーまで長穴なんだよ💢
そのおかげでボルトが安定しないんだよ💢







と、ここまで書いたところで、
『初代パンダに乗ってる人はみんな、このベルト問題にどう対処しているんだろう?』と思った訳ですよ。
ベルト張りはめっちゃ大変だから、皆さん整備工場に丸投げしてるんだろうか?…

そう思って、ネットで調べてみると…

驚きの事実が発覚しました‼️😱

こちらはネットで拾ったオルタネーターの画像たちです。













皆さんウチのと違うんですけど⁉️⁉️⁉️



ウチのは赤丸で囲んだスペーサーが有るし、ボルトも2本です。
しかも下側のボルトはエンジンマウントギリギリで、知恵の輪のようにしないと入りません…だから赤い矢印のボルトは頭を削って薄くしてあります。

でも、皆さんのオルタネーター取り付け部分にはスペーサーなんて入ってないし、ボルトも1本しか無い…
ウチのパンダのオルタネーターは、皆さんのよりスペーサーの分(約2cm)左にズレているのだ。

ウチのパンダは、その昔ハーネス(配線の束)がオルタネーターの羽根に当たって断線して走行不能に陥った。

それでオルタネーターの羽根に、自作のアルミ板製ガードを付けている。

要は、オルタネーターが本来の位置にあればオルタネーターの羽根とハーネスが当たる事なんて無かったのだ💢
左に2cmズレてるからハーネスと接触してしまったのである💢


そしてウチのは、オルタネーターの真上をクーラーの低圧パイプが通っていてオルタネーターを抜き取るのが知恵の輪状態ですが…

皆さんの画像はそんな所にクーラーパイプは通っていない…

この違いは何なのか⁉️


…そして私は気がついたのだ。

普通のパンダはベルトが1本しか付いていない‼️

そしてこんな画像を見つけた…


アイドルプーリーがある…



どうやら普通のパンダはこうなってるらしい…

これなら何の問題もない…
オルタネーターも正しく取り付けられており、タイヤレバーで簡単にベルトが張れる。



一方、ウチのパンダはこうなっている(泣


めちゃくちゃである💢



まずコンプレッサーベルトを張ってみよう。



赤いのがタイヤレバーで、青い矢印の方に押せばベルトは張られるが…
見ての通りオルタネーターが邪魔で無理だ。

では気を取り直してオルタネーターベルトを張ってみよう。



画像的にはタイヤレバーが入りそうであるが、実際には、この様にコンプレッサーが邪魔で無理である。


じゃあどうするかと言えば、こうするしか無い。

赤線がタイヤレバーで、青矢印の方へ押して張るしか無い。
かなり無理があり、レバーの先でコンプレッサーを壊してしまわないかヒヤヒヤものであるし、力を入れた割にベルトが張られない。

そしてベルトを張った状態で、赤丸部分のボルトを締めて固定したい訳だが、隙間が狭いため下からしか手が入らない上に、ボルトのすぐ下をベルトが通っているので工具が入れずらい上に、ボルトを目視する事も出来ないのである。


次にオルタネーターベルトを張ってみよう。


これも相当無理な方法である。
力が要る割にベルトは張られない。
そして何がダメって、支点となるボルト穴が『長穴』になってる点である。
レバーを押すと、オルタネーターには支点を軸に回転する力より、左にズレる力が掛かってしまうのだ。

ただでもズレ易いのに、オルタネーターとブラケットの間には、厚さ2cmのスペーサーまで入っているのだ。

そして何とか張ったとしても、赤丸部分のボルトは下からしか手が入らない…
仕方ないので、長穴の2本のボルトを締めてから、下側のボルトを締めるしか無いが、上のボルト2本の間隔は4cm位しか無く、これでベルトを張った状態を維持するのは無理がある。

更に付け加えると、2本のボルトのうち1本は支点のボルトなので、これを締めた所でオルタネーターは固定されない。
オルタネーターを、ベルトが張った状態で固定するにはもう一本のボルトを締めなきゃいけないのだが、このボルトが通る穴はオルタネーターも取り付けベースも長穴なのだ。
長穴だから、当然ネジが切られてはいない。

つまりこのボルトを締める為には、裏側のナットも押さえなきゃならない。
1.左手に持ったタイヤレバーでベルトを張る。
2.右手に持ったメガネレンチ🔧でナットを押さえる。
…どうやってボルトを締めろと?



グリーバス将軍やモグラおやじなら出来るだろうが、あいにく俺には腕が2本しか無いので無理だ。

整備工場なら2人がかりでやれば良いだろうが、たかがベルト1本張るのに2人いないと出来ないとか、設計したヤツがバカ過ぎて腹が立つ。


もう、うんざりである💢👹


うんざりなので、ベルトは極力弄らない様にしている。
しかし、3年ほど前から、冬なるとベルトが鳴く様になってしまった。
リア熱線を入れ、ヘッドライトとフォグランプを点けると『ギャア~‼️』と盛大にベルトが鳴くのである。
明らかにベルトが緩いのだ。
鳴くたびにリアの熱線を切ったり、フォグランプを消したりしている状況なのだ。
オルタネーターベルトなのか、コンプレッサーベルトなのか分からない。
どっちも緩いのかも知れないが…

でもベルト調整はやりたくない💢😡



と言う訳で、ウチのパンダのベルト調整機構をまともに改造しようと思っております。
張り具合が微調整できる様な構造を目指します。





【おまけ考察】

そもそも、なんでこんな事になっているのだろうか?
1つ言えるのは、元々このクーラーキットは、ベルト1本仕様だったと言うことである。


この赤丸のスペーサーは、オルタネーターをズラしてベルトを2本掛けにする為に後から入れられたのだ。
つまり『改良』されたのだ。
…改良というには余りにも多くのデメリットを生んでしまってるが…😓

改良が必要だったと言う事は、ベルト1本仕様に何かしらの不具合があったと考えるのがセオリーだろう。

私が推察するに、コンプレッサープーリーと、ベルトの接触角度が少ないのでは無いだろうか?

この図では、その角度は100度位である。
ベルトとの接触面積が少ないので、ベルトは滑り易い。
かなり強くベルトを張らないとダメなのでは無かろうか?
ベルトを強く張ると言う事は、当然オルタネーターやアイドルローラーのベアリングに不必要な負担が掛かる。




初代パンダが発売されてた当時は、大衆車のエアコンはまだ『高級品』であり、大抵はオプション設定であった。

私がマツダで働いていた時も、ファミリアやカペラやRX-7(FC3S)の標準グレードはエアコンはオプションであり、新車整備で取り付けていた。
RX-7がFD3Sにフルモデルチェンジした時から、エアコンは全グレードに標準装備になった。

エアコンの後付けキットには必ず、ベルトが入っていた。
コンプレッサーは必ず、それ専用のベルトで回されていた。

こんな感じである。

これだと、ベルトはプーリーの半周、180度と接触する。
エアコンやクーラーのコンプレッサーと言うのは、回すのに結構な力が要る。
それこそ非力なパンダでは、クーラーを効かすと如実にパワーを食われるくらいだ。
かなりしっかりと動力を伝えないとベルトが滑る。

だからコンプレッサーを回すベルトは、できるだけプーリーとの接触面積を多く取るようなベルトの取り回しをする。







可能ならコンプレッサー専用のベルトを使う。








そしてウチのパンダはこうである。



とりあえず、コンプレッサープーリーは、クランクプーリーから直でベルトと180度接触しているので、ベルトはそれほど強く張らなくても大丈夫だろう。

…それにしても、こんなにややこしい事をしてまでベルトを2本にしなくても良かったのでは無いだろうか?
ベルト調整機構が2つになるし、長穴の空いたステーも2本追加になるし、オルタネーターをズラすスペーサーも追加になるし、コスト的にも良くないんじゃ無いだろうか?


私だったらこう変更するけどなぁ。

青い線が変更後のベルトラインである、
アイドルプーリーを1つ追加して、もう少し長いベルトにする。
こうすればコンプレッサープーリーとベルトの接触角度も、オルタネータープーリーとベルトの接触角度も増やせるし、ベルト調整も楽である。
何でこうしなかったのだろう?
アイドルプーリーって高価なのか??

と言うか、むしろ下側のアイドルプーリーは要らなくね?大して役に立っていないだろコレ。

下側のアイドルプーリーをやめて、オルタネーターとコンプレッサーの間に設置すれば充分だったんじゃね?

…まぁ、今さら言っても仕方ないけどね😭