私の部屋の本棚。



バイク雑誌の中でも、
【Bikers Station】を良く買っていました。
以前の私は、毎月ほぼ全てのバイク雑誌を立ち読みし、内容が気に入ったのだけを買っていました。
4冊買う月も有れば、1冊も買わない月もありました。
編集者からすれば嫌な読者ですね💦

よく買っていたBikers Stationですら、時々しか買わなくなり…遂に毎年3月に出るモトGPの特集号しか買わなくなりました。



そしてそれも…



2022年3月でストップ。
この号を最後にバイク雑誌を1冊も買っていません。

バイカーズステーションが隔月刊になり、現在は休刊中…
と言うか、もう事実上の廃刊になってるので買う事は不可能ですし。

なぜバイク雑誌を買わなくなったのか…

それはズバリ
『つまらないから』

これは編集者が良くないとか、企画がつまらないとか、そういう事では無いんです。

私は新型バイクに興味が持てなくなってしまったんですよ。

こう書くと、
『ああ、歳とって新しいモノに付いて行けなくなったんだね』って思われるかもしれませんが…違います。

私に言わせれば、
ここ30年くらい、新型と言えるようなバイクなんて1台も発売されていないんですよ。


思えば私のバイク好きは幼稚園児の仮面ライダーから始まり、キカイダーのサイドマシンで妙にマニアックになり、当時は家が買える値段というハーレーにハマり…
SFとロボットアニメにハマってガンダムにドップリハマった後…
高校生になって、再びバイク熱が再燃しました。



そんな時、本屋で手にしたのがこの本です。


驚いたなんてもんじゃ無いですよ‼️


だって…

ビフォー(1978~82年) RG250E


アフター(1983年) RG250γ


突然変異どころの騒ぎじゃないですよ‼️
幼稚園児が飛び級で大学生になったような進化ですよ😱

ガンマが口火を切ると、4メーカーはまるで狂った様に新型開発に没頭し、次々と新技術を開発しては、矢継ぎ早に新型車に投入していきました。

1982年から1990年までのたった8年で、バイクは狂ったように進化しました。


1982年

・空冷2バルブ
・2本ショック
・フロント19インチタイヤ

1983年

・カウルが認可される
・リアはリンクサスになる
・フロント18インチタイヤ

1984年

・水冷4バルブ サイドカムチェーン
・フロント16インチ
・ダイヤモンドフレーム

1986年

・前後輪16インチタイヤ
・ペリメターフレーム

1988年

・セミダウンドラフト給気ポート
・アルミツインチューブフレーム
・フロント17、リア18インチラジアルタイヤ

1990年

・ラムエアシステム採用
・ダウンドラフトポート
・前後輪17インチラジアルタイヤ



これが…

8年後には

こうなるとかあり得ない進化だった。
最高速は220キロ程度から300キロまで上がった。

1990年、このZZR1100をもって、バイクの進化と言うのはほぼ終わりを告げてしまったのである。

・アルミツインチューブフレーム
・ダウンドラフト吸気ポート
・1バルブ1ロッカーアーム式バルブリフト
・ボトムリンク式リアサス
・フロント 120/70-17インチラジアルタイヤ
・リア   180/50-17インチラジアルタイヤ
・テレスコピックフロントサス
・スイングアーム式リアサス

これがバイクにおける正解なのである。
人間の大きさが変わらず、人間が跨って運転し、二輪でバランスを取るという制約がある以上、クルマのようにFFやリアエンジンなどのバリエーションは無理だし、人が人力で操る以上、大きさも限られる。
限られた寸法の中に収め、運動性と安定性を考慮すれば、こういうカタチになるしか無い。



強いて言えば、バイク進化の最終形はこれである。


1996年式 GSX-R750である。
コイツはクランクケースを3分割し…


・クランクシャフト
・カウンターシャフト
・ドライブシャフト
を三角配置とし、エンジン前後長を短くする事に成功した。



因みに従来型はこんな感じ。

3本のシャフトがクランクケースの合わせ目に一直線に並んでいた。


3角配置をさらに推し進めたのが1998年のYZF-R1である。

クラッチを目一杯上に上げる事により、カウンターシャフトを上にし、エンジン前後長をかなり短くする事に成功した。
現在のリッターレプリカバイクは殆どがこの構造を採用している。



ちなみにこれはウチのドカのクランクケース。

このエンジンはパンタ500SLをベースにしている。
フロントシリンダーが水平近くまで寝ているLツインエンジンは、どうしても前後に長くなってしまうので、何とか短くする為にクラッチ(カウンターシャフト)を上に持ち上げ三角配置にしてある。
1976年製のエンジンとしてはかなりの先見の明だと思う。



話を戻します。


1996年製のGSX-R750


2023年製のCBR1000RRR


27年もの差があるこの2台だが…
・フロントホイール→3.5J-17インチ
・リアホイール→6.0J-17インチ
と共通である。

・フロントタイヤ120/70-R17
も共通である。
リアタイヤはGSX-R750の190に対し、CBR1000RRRは200と太いが、135馬力と218馬力の差を考えれば、むしろ1サイズしか違わないのは驚きである。

因みに、フロントの120/70-17インチと言うサイズは、
もうスポーツバイクでは完全に『正解』である不変のサイズになっている。
カワサキZX-4Rから、ホンダCBR600RR、
BMW S1000R、カワサキZZR1400、400ccから1400ccまでこの同一サイズを採用している。





片や1988年製と2023年製、片や400ccと1400cc、排気量も年代も車重も大きく異なるこの3車が、フロントのホイールサイズ、タイヤサイズとも共通なのである。




1996年のGSX-R750と2023年のCBR1000RRRは、
・アルミツインチューブフレーム
・ボトムリンクリアサス
・倒立フロントフォーク
・ダウンドラフト吸気ポート
・エンジン軸三角配置
・インジェクション
なども共通である。

キャスター/トレール
GSX-R750…24.0度 96mm
CBR1000RRR…24.0度 102mm
ホイールベース
GSX-R750…1400mm
CBR1000RRR…1460mm

キャスター角は同一、トレールは6mm差。
ホイールベースはCBR1000RRRが60mmも長いが、これはパワーがありすぎるため、運動性能を少し犠牲にして安定性を確保しているのだと思う。
あと、パワーリフトしまくりの対策でもあると思う。
エンジン前後長は、むしろCBR1000RRRの方が短いので、ホイールベースをGSX-R750と同じにするのは簡単な筈なのだから。


因みにドゥカティパニガーレV4は
キャスター/トレール…24.5度 100mm
ホイールベース…1469mm



現在、このクラスの殆どが、
キャスターは23.5~24.5度、トレール95~105mm
ホイールベース1440~1470mmの範囲に収まってる。

因みにこちらはRC213V-S


キャスター/トレール…24.5度 105mm
ホイールベース…1460mm

2190万円のRC213V-SとパニガーレV4の差は、
キャスター角…同一
トレール…5mm
ホイールベース…9mm

CBR1000RRRになると、
キャスター角…0.5度
トレール…2mm
ホイールベース…同一

ここまで近似値だと、乗ってハンドリングの違いを見出すのは困難だろう。特にパニガーレV4とRC213V-Sはエンジンレイアウトも同じ90度V4だし、乗り味は相当近いだろう。
まぁ、どちらも自社のモトGPマシンのレプリカなので、方向
は同じなのだから当然か…




リッターレプリカを作ってるメーカーは沢山あるが、その殆どが、
・キャスター1度
・トレール1cm
・ホイールベース3cm
の差の範囲に収まっている。

これが【正解値】なのである。
1996年時点で運動性と安定性を備えた車体寸法の正解が出てしまったので、以降この数値から外れるリッターレーサーレプリカはほぼ無い。

つまり、 2023年のCBR1000RRRは、1996年のGSX-R750から、ほぼ何の進化もしていないと言える




この2台は27年もの年式差があるにも関わらず、排気量以外は同じバイクと言って良いほど進化していない。

変わったのは、インジェクションがより細かい制御になり、ABSとトラクションコントロールが追加された事ぐらい。



私はキャブで何の不満も無いので、インジェクションに魅力を感じた事は無い。
…と言うか、元々インジェクションはキャブより性能が悪かったのだ。

1996年のGSX-R750も、『ドンツキがある』と評価されていた。当時は各メーカーもこのドンツキに悩まされていた。
車重のある4輪とは違い、バイクは微妙なアクセルワークに追従する繊細な制御が必要で、中々思うような制御が出来なかった。
現在では、多穴式で微細な噴霧が出来るインジェクターが開発されたのと、高性能な制御ECUが開発されたので、やっとキャブレターのレベルに追いついた。


結局、インジェクションがキャブより優っているのは、排ガス濃度とトラコン制御とリアルタイムで燃費データが見れるという点で、私にとっては『どうでもいい』事項でしか無く、インジェクションは私にとって何の価値も無いのだ。



私はABSの必要性も感じた事は無い。
あれは1つのペダルで4つのブレーキを個別にコントロールするのが不可能なクルマ用のシステムであり、前後2輪を手と足で別々にコントロールできるバイクでは必要性はない。

むしろABSなんか付いてた日には、ブレーキターンが出来ないし、トラコンでウイリーが押さえ込まれるなんて、そんなつまらないバイクはまっぴら御免である。
トラコンは切れば良い話だが、使わなくて常時切っている装備など、私には何の魅力もないしただのお荷物でしかない。



バイクはもう【完成】したのだ。
新型バイクにはもう目新しい新技術の投入はない。
傘やワイパーや自転車と同じで、バイクにはもう改良の余地は無いのだ。
だから私は新型バイクに興味が無くなってしまったのだ。








【P.S】
本屋に行っても、バイク雑誌をほぼ立ち読みもしなくなってしまっているワタクシですが、唯一この雑誌だけは立ち読みしています。



別にチョッパーに興味は無いのですが

この本の真ん中辺りに表紙の娘の【おヌード写真💕】があるので、そのページだけ拝見させて頂いております☺️