今回、なかなか大変な修理となった訳ですが、修理していて思ったのは…



このタンクはとても出来が悪い!💢😠


と言う事です。
多くの問題を抱えている訳です。
要は、フィアットがちゃんと真面目に設計していれば、錆びて穴が空く事なんて無かった訳です。


【問題点その1】
これは根本的な事ですが、そもそもガソリンタンクが「鉄製」なのが悪い。
FFは樹脂製で錆びない訳で、4×4も樹脂製にすれば何の問題も起きなかった訳です。

FFの樹脂タンク。


本来なら、降雪地域(融雪剤が撒かれる)で使われる可能性の高い4×4こそ、樹脂タンクにすべきだろう。



【問題点その2】
ケチってサービスホールを付けなかった。
サービスホールはFFのままで、車体中心にある…4×4は車体右にガソリンタンクが有るのに…

デフしか見えないサービスホール。



サービスホールが無いので、フューエルポンプの配管や、ガスバルブの配管の取り外しは、ガソリンタンクを半分下げた状態で作業するしかない。



ネットで拾った画像だが、このパンダは前のオーナーがガスバルブを折って接着剤で直してあった。



タンクを半分下ろした状態での作業なので、ガスバルブに無理が掛かって折れてしまったのだろう。
サービスホールが有れば、ホースを外してからタンクを下ろすので、こんな事にはならなかった筈である。


そして、このガスバルブはテコでも抜けないので、この人もフランジ部分を壊して外していた。




そして、この様に前側を下げて作業すると、恐らくリア側のガスバルブがボディに当たって折れる事があったと思われる。
その画像を見つける事は出来なかったが、4×4の前期型と後期型でガスバルブの周りが変更になっている。



後期型のガソリンタンクは、赤丸の部分にガスバルブのガードが追加されているのである。

そしてこのガードの造りが劣悪なのである!👹💢

ぶっちゃけ、ガソリン漏れはこのガードが引き起こしたと言って過言では無い。


これはガソリンタンクの断面図である。



赤いのがガードである。
右側が前方である。

右リアタイヤが巻き上げた融雪剤水はタンクの上に溜まる。


そしてパンダが加速すると、慣性によってガードに融雪剤水がガードに集められる。



ガードはスポット溶接されてるだけなので、とタンクの間には隙間があり、その隙間が毛細管現象を起こし、隙間に融雪剤水が行き渡る…

そもそも、ガードはL字型になってるので、奥にまで塗装は行き渡るはずも無く、そこに融雪剤水が溜まる構造なのだから、錆びない訳が無い。





鉄板を当てなきゃならないほどの大きな穴は、このガード周辺に空いている。
錆びて穴が空くと、そこからガソリンが漏れる…漏れたガソリンは塗装を冒し、塗装が剥げて錆びはどんどん広がっていく…
北海道では、給油口のフタの周りが錆びているクルマを良く見かける。



これは溢れたガソリンが塗装を冒し錆びたモノ。
ホ○ダ車で良く見かけるのは気のせいだろうか…(^_^;)



これ以外の穴は、針で突いた様な小さな穴ばかりなので、このガードさえ無ければ、ガソリン漏れはコーティング剤だけで直せたのである。



【問題点その3】
タンクの位置が悪い。
右リアタイヤが巻き上げる泥水(融雪剤水)がモロにかかる位置にガソリンタンクを設置している。



この赤線で囲んだ部分、ちょうどタンクの上下の合わせ目の下の部分には小さいサビ穴が無数に点在していた。

ガソリンタンクは車体後部に設置すべきだったのだ!!

大抵のクルマはその位置にガソリンタンクが有るのだし、パンダはスペアタイヤがエンジンルームにある訳で、トランク下にはガソリンタンクが余裕で設置できるスペースが十二分にあるのだ。
給油口を変更するのをケチったのが裏目に出ている。




結論としては、
とにかくガスバルブのガードが最悪である!

雪国のパンダ4×4(後期)乗りは、まずはこのガードを取り去るべき。じゃないとタンクの穴空きは避けられないだろう。

もはや、あのガードはタンクにサビ穴を空ける為に設置されてると言って過言ではないっ!!
…早めに手を打つ事をお勧めします。

なんせ、新品タンクは生産終了、供給無しなのだ。
今やヤフオクに中古タンクが出品されるのも極めて稀。
交換と言う選択肢はほぼ無いのが現状です…(T_T)