雪国では、家の外にこう言う灯油タンクがあるのが普通です。




で、

灯油タンクを洗浄する業者があるんですよ。
ちょいと検索するだけでいっぱいヒットします。



で、

ホームページを見てみると、こんな感じの事が書いてあるんですよ。





【必要があります!】
ご丁寧にビックリマークまで付けている。
「必要」というのは「必ずやらなくてはいけない」と言う意味である。
そんな事断言できるのか?

そして洗浄しないと…



30万円の修理代を払う羽目になる事もあると脅すのである。






【結露による水滴】
まぁ、分かる。昼と夜の温度差で結露する事もあるでしょう。
【サビ】
これも分かる。結露するんだから、その水分で錆びるのは普通に考えられる。
【汚れた灯油】
……何の汚れでしょう?まぁ、空き家で長年灯油を入れたまま放置されたタンクなら、灯油が変質する事もあるでしょうね。

【ヘドロやゴミ】
まず「ヘドロ」とは何なのかググってみた。



ほほぅ~
なぜそんなモノが灯油タンクの中に?
そして「ゴミ」も一体何処から入ったのか?
考えられるのは、
『誰かが勝手に蓋を開けて入れた』ぐらいであろう。
悪質な嫌がらせなので、タンク洗浄業者に連絡している場合ではない。先に警察に連絡すべき案件である。


ゴミに関しては通気口から入った可能性もある。



気温差で中の体積が変わるのと、空気が入らないと灯油も流れ出て行かないので、このようなパイプが付いている。
雨が入らない様に、先が下に向けて曲げてあるが、ここからゴミが入るのだろうか?

パイプを下から覗いて見ると……



細かい網が取り付けられている。
そりゃそうだわな。灯油タンクメーカーだってバカじゃない。ちゃんとゴミ対策を講じてあるのだ。
となると、やはりゴミも『誰かが勝手に蓋を開けて入れた』以外考えられない。



因みににこちらはウチの灯油タンクである。



1番上の画像と同じである。
あの画像は『サンライズ灯油タンク』で検索したら出た。
ウチは45年ほど前から使い続けているので、超ロングセラー商品の様だ。
数年前に、家の外壁を塗り替えた時、塗装業者さんがこのタンクもサービスで塗ってくれたので綺麗である。
あと、2年ほど前に私がサビにサビ転換スプレーを吹いたのも功を奏してる様だ。

実は、10年ほど前までは、2~3年ごとにタンク清掃業者が来て、親は言われるままにタンク内洗浄をしていた。

塗り込められてるが、タンク洗浄業者が貼った、
『タンク洗浄済み ○○年○月○日』と言うステッカーが貼ってある。






タンク洗浄業者はコレを見て、
『しばらく洗浄してないようですが……』と、洗浄をセールスしてくるので、タンクを塗って貰った時に塗りつぶして貰ったのだ。


俺が親に言って、タンク洗浄をやめさせた。
理由はこうだ。
・外側も大して汚れて無いのに、内側が汚れるとか有り得ないだろ。
・水が入ってるとしても、それは下のフィルターケースに溜まる様になってるんだから見ればわかる。
・タンクのサビカスやゴミはフィルターで止まるから、ストーブには入って行かない。
と言うか、その為にフィルターが付いてるんだし。




ウチのは綺麗。


そして決定打は、
【灯油と軽油はほぼ同じ成分だが、俺はディーゼル自動車の燃料タンクを2~3年に一度は洗浄しなければならないなんて話は聞いた事がない!】と言う事である。

因みにクルマの燃料タンクに【ヘドロ】が溜まった話も聞いた事が無いし、サビ以外の【ゴミ】が溜まった話も聞いた事がない。


そしてこんな動画がある。



いくらなんでも酷い!

ウチのタンクの画像をあげたが、ウチのタンクは45年モノ、そしてウチは海岸から350m位の場所である。
ウチのタンクがあの程度なのに、このタンクは酷すぎる。外観からは60年以上経ってる感じだ。
20年でここまで錆びるとか、この家は波打ち際にでも建っているのか??

そして中からは真っ黒な液体と大量のカスの様なモノ。
そもそもこの家は人が住んでいない廃墟だろ。
20年間ストーブ焚いて無いんだから。
そして、コレはどう見ても、20年間タンクのフタが開けっ放しだったろ。
20年間、雨水やゴミが入って灯油を押し出し、中に溜まった雨水が腐ったんだろ。

じゃなきゃ、撮影前にフタを開けて、中に黒い液体とゴミを入れたとしか思えない。
じゃなきゃ、灯油って容器に入れてフタをしておいても、20年経つと真っ黒になるのかよ!?!?



『灯油タンク洗浄』と言うのは、灯油屋が考えたよく出来た商売なのだ。

・灯油タンクの中なんてどうなってるか見えない。
・下のフィルターなんて普通の人は交換しないから、大抵は少し汚くなってる。
・中が見えないんだから、洗浄前と洗浄後の違いも見て確認出来ない。

適当な事を言って、タンクの中の灯油を一旦吸い出し、
洗浄剤(なのか?)を入れて吸い出す。
元の灯油をフィルターを通してタンクに戻す。
最後に下のフィルターを新品にする。


タンクの中は確認出来ないが、フィルターは新品になったので『綺麗になった』と思ってしまう。


タンク内が綺麗になろうが変わらなかろうが、
30分位で作業工賃6000円は【美味しい仕事】だろう。


ぶっちゃけ、人が住んでいて冬にストーブを焚いて、灯油を補充している家なら、タンクの内側なんて汚れないのだ。
整備工場では、灯油は「洗油」としてパーツを洗うのに使ってるくらいなので、タンクの内が油で汚れることは無い。

そして、タンク内部のサビなんか洗剤入れて出した位じゃ何一つ落ちない。
タンク内のサビを落とすなら、温めたサビ取り液を入れて24時間放置しないとダメだ。



このバイクのタンクのサビ取り液は1Lで4000円である。20倍に希釈して使うタイプなので、20Lタンクまで使える。
一般的な灯油タンクは200Lだから、サビ取りをしようと思ったら10本買わないとならない。
4万円である(爆

因みに…



新品が39000円(送料無料)で買えるので、本気でサビ取りするくらいなら買い替えた方が良い(爆
そして、2~3年おきに6000円の洗浄代を払うなら、20年おきに新品に買い換えた方が安い(大爆



タンクの中が結露して水分が付着しても、水は灯油より重いのだから、下に溜まるし、殆どはフィルターの透明ケースに落ちて来る(そこが1番下なのだから)訳で、外から見て分かるはず…と言うか、その確認のために透明なケースを使ってるのである。

と言う訳で、
『灯油タンク洗浄』は灯油屋さんが考えた【上手い商売】でしか無く、普通の家では全く意味が無く、お金をドブに捨てるようなモノだ。
下のカップの水抜きとフィルター交換だけ行っていればOKである。

タンク洗浄したところで、タンク内壁に発生したサビを落とす事は出来ないし、剥がれ落ちたサビはフィルターで止まるんだから、サビのカスが大量にフィルターに詰まるとかじゃ無ければ、タンク内のサビを抜き取る必要も無い。
と言うか、フィルターが詰まるほど内部が錆びているなら、今後の事を考え洗浄などせずタンクを新品に買い換えるべきだ(笑


最後にもう一度。

【灯油と同じ成分である軽油を使ってるディーゼル自動車の燃料タンクを、2~3年に一度は洗浄しないとダメなんて話は聞いた事が無い!】

そして、
『ディーゼルエンジンの自動車は、2~3年に一度は燃料タンクを洗浄しないと、30万円の修理代を払う事になりかねませんよ』などと言うディーラーもいない!


【2024年4月13日追記】
この記事で私は、灯油タンク洗浄について、
1.灯油を抜き取る。
2.洗浄液でタンク内を洗浄する。
3.抜いた灯油を濾過して戻す。


…だと思っていたのだが、幾つかの業者のホームページを見たところ、

1.灯油を抜き取る。
2.抜いた灯油を濾過して戻す。

だけであった。
そんなもん、タンク内側のサビが取れる訳が無いわな。
剥がれ落ちたサビを吸い取るだけじゃん。
そんなもんはフィルターで止まるんだから、それこそタンク洗浄なんて意味ないな🥱