114年振りの新種クリオネ=ダルマハダカカメガイをオホーツク海で発見 | パンデモニウム

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※何度かのブログフォーマット変更により改行ポイントがずれてしまい、ほとんどのページがガタガタになっております。
読み難くて申し訳ないです。

 ↓ 北海道新聞(2016.9.8) より

 

北海道の2人の学芸員 共同研究

 

「流氷の天使」として知られるクリオネの新種が、オホーツク海で確認

された。

北海道蘭越町立の貝類博物館「貝の館」の山崎友資学芸員(33)と、

道立オホーツク流氷科学センター(紋別市)の桑原尚司学芸員(41)が

共同研究として発表した。

クリオネの仲間のうち、新種が見つかったのは約100年ぶり。

 

 ↓ a:ダルマハダカカメガイ、b:ハダカカメガイ、c:ダルマハダカカメ

  ガイの捕食時における探索行動

  スケールバーは、a・b=2㎜,c=1㎜


ダルマハダカカメガイ01

 

世界で4種目

 

これまでクリオネの仲間は世界に3種が確認されており、オホーツク海

で見つかっていたのは体長約3センチの「リマキナ」1種類だけだった。

世界4種目となる新種は体長約8ミリで、リマキナよりも丸みを帯びて

いる。

オホーツク海で見つかったことから、学名「オホーテンシス」と名付け

られた。
 

オホーテンシスは10年以上前から存在が確認されていたが、外見の

違いから研究者間でクリオネとは別の仲間の生物と思われていた。
 

桑原さんは2011年4月、オホーツク海南部で展示用に採集した

クリオネを観察していて、オホーテンシスがクリオネの仲間に特徴的

な6本の触手を持っていることに気づいた。

貝類に詳しい山崎さんが遺伝子解析を行ったり、1年間試験的に飼育

したりして、新種であることを突き止めた。

 

リマキナ実は別種

 

また、リマキナはオホーツク海を含む北太平洋と北大西洋に生息する

とされていたが、山崎さんらが遺伝子を解析した結果、北太平洋のクリ

オネはリマキナと異なる種であることも判明し、「エレガンティッシーマ」

に名称変更される見通し。

この結果、オホーツク海に生息するクリオネはエレガンティッシーマと

新種のオホーテンシスの2種になる。

 

共同研究の論文は10月にも英国の専門誌「ジャーナル・オブ・マラスカ

ン・スタディーズ」などで発表される。

山崎さんは「長い時間をかけて研究してきた成果が出てほっとして

いる」、桑原さんは「こんな身近な所に新種が居たなんて思わなかっ

た」と話した。

10月にそれぞれが働く施設で新種についての企画展を開く。
 

日本貝類学会名誉会長の奥谷喬司・東京水産大名誉教授は「研究者

が少ないこともあり、クリオネに関する情報は少なかった。今回の新種

発見や新しい分類は日本人初の快挙だ」と話している。

 

 

ダルマハダカカメガイ(学名:Clione okhotensis)

  ・・・腹足綱裸殻翼足(らかくよくそく)目ハダカカメガイ(クリオネ)科

   ハダカカメガイ(クリオネ)属

    体長:約8㎜

    幼形成熟(ネオテニー;幼生形のまま性成熟する事。有名なの

   はメキシコサラマンダー)する事が分かっています。

    餌から出る水溶性の化学物質に反応して、身体を伸ばし粘液を

   出す「探索行動」を行います(クリオネでは初めて観察されまし

   た)。

    

クリオネは、巻貝の仲間で、生まれた時にはその痕跡を持ちますが、

成長すると完全に貝殻を失います。

身体の大部分は透明で、翼足という足を使って海中を遊泳する為、

翼足類と呼ばれます。 

北極南極を中心とした寒流域の、表層から水深600m程を中心に

分布。

ミジンウキマイマイなどの微生物を捕食します。


これで、ハダカカメガイ属には上記新種と、オホーツク海を含む

北太平洋のハダカカメガイ=クリオネ・エレガンティッシーマ

(Clione elegantissima)、北大西洋のダイオウハダカカメガイ=

クリオネ・リマキナ(Clione limacina)、南極周辺のナンキョクハダカ

カメガイ=クリオネ・アンタークティカ(Clione antarctica)の4種と

なりました。

 

 

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