↓ AFP(2016.7.25) より
ソマリア北部ソマリランド(Somaliland)のラース・ゲール(Laas Geel)に
ある洞窟には新石器時代の「芸術家」たちがアンテロープやウシ、
キリン、弓矢を持った狩人などを色とりどりに描いた壁画がある。
2002年にフランスの考古学チームによって発見された壁画は、描かれ
てから数千年の時を経ているにもかかわらず、今なお鮮やかな色彩を
保ち、およそ5000年前、あるいはもっと古い牧畜の歴史を生き生きと
伝えている。
↓ ラース・ゲール洞窟内部から外を見たところ
1991年に一方的にソマリアからの独立を宣言したソマリランドの観光
省から派遣されたアブディサラム・シェベリ(Abdisalam Shabelleh)氏は
「この壁画は固有のものです。こうした様式はアフリカで他には見られ
ません」と語り、壁画が色あせ、岩が剥がれた一角を指さした。
「今なにもしなければ、20年以内に全て消えてしまうかもしれない」
ソマリランドの中心都市ハルゲイサ(Hargeysa)から約50キロ離れた
ラース・ゲールの洞窟壁画は、アフリカで最も古く保存状態も最良な
岩絵の一つとされる。
だが観光客に絵に触れないよう注意を促す警備員は数人しか配置
されていない。
壁画は今すぐにでも保護が必要な状態で、シェベリ氏は「我々には
知識も経験も財源もない。支援が必要なんです」と訴えた。
ソマリランド共和国は、1991年、ソマリアから独立しましたが、国際的
には現状、ソマリランドを国家として承認している国は有りません。
ラース・ゲール(Laas Geel)洞窟
・・・ラース・ゲールはソマリア語で「ラクダの水飲み場」の意。
地質は花崗岩。
2002年、フランスの調査隊によって、紀元前5,000年頃のものと
見られる壁画が発見されました(地元住民には、はるか前から
知られていたようです)。
最も多く描かれているのはウシで、他にもキリン、アンテロープ、
イヌ、そしてヒトが確認されています。
使われているのは、赤、茶、オレンジ、白の4色。
↓ MIKE GREENSLADE PHOTO LIBRARY より(以下3点)
角の間に小さく有るのが頭部で、首に装飾の有る胸当ての様な
物が掛けられています。
↓ 弓を引く狩人
↓ ウシを曳くヒト
↓ Maanta Somaliland より キリン
洞窟と云っても、(私の好物である)縦に伸びる穴よりは、もっと開けた
空間のようです。
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