↓ AFP(2016.5.4) より
深刻な干ばつに見舞われている太平洋の島しょ国パラオで、人気
観光地の塩水湖「ジェリーフィッシュレイク(Jellyfish Lake)」のクラゲ
が激減し、観光ツアーが相次いでキャンセルされている。
ジェリーフィッシュレイクは、のどかで幻想的で穏やかな体験を提供
するスポットとして、主に中国人観光客に人気だ。
同湖に生息するゴールデンジェリーフィッシュは刺したりしないため、
クラゲの群れの中を潜水することができる。
↓ DOYOUYOGA より
ジェリーフィッシュレイクのクラゲ個体数は800万匹だったが、科学者ら
が先月推計したところによると、パラオを襲った観測史上最悪の
干ばつの影響で60万匹以下に激減したという。
しかしボート運営会社のサムズツアー(Sam's Tours)はこの数字も
楽観的すぎると言う。
サムズツアーの推計では現在の個体数は30万匹で、なおも減少し
続けているという。
↓ Feel The Planet より
サムズツアーは声明で「われわれを含め、ゲストたちを湖に案内する
ツアー会社の多くが、クラゲを全く見かけていない」とし、湖への
ツアーを中止していると話した。
AFPが先週問い合わせたボート会社5社のうち4社がサムズツアーと
同様の対策を取っていた。
観光業はパラオの最大の収入源で、昨年の外国人観光客数は16万
人だった。
エルニーニョ現象(El Nino)の影響による干ばつで河川やダムが枯渇
したことを受け、パラオ政府は緊急事態を宣言、外国の支援を要請
した。
あるサンゴ礁の研究財団によると、雨量の減少で湖の塩分濃度が
高まり、クラゲの餌のプラントンが死んだことが、クラゲ激減の原因と
いう。
ゴールデンジェリーフィッシュは、鉢クラゲ綱根口クラゲ目タコクラゲ科
タコクラゲ属の亜種とされていますが、形態や生態に異なる点が見ら
れる為、将来的には別種とされる可能性が有ります。
傘径:10~20㎝
ジェリーフィッシュレイク内を、太陽の動きと共に回遊しています。
ゴールデンジェリーフィッシュは1998年にも激減しており、この時の
原因も やはりエルニーニョ現象だったと考えられています。
↓ Cakrawala より 左がゴールデンジェリーフィッシュ、右が
タコクラゲの基亜種。斑紋が無くなり、触手が短くなっている
のが分かります。
ジェリーフィッシュレイクでは、もう1種、ムーンジェリーフィッシュが
見られます。
鉢虫(はちむし)綱旗口クラゲ目ミズクラゲ科ミズクラゲ属に分類され
ますが、ミズクラゲとは遺伝子的に差異が確認されています。
こちらも、将来的に別種として記載される可能性が高いです。
↓ Feel The Planet より
クラゲなどは、水温水質に直接的に影響を受ける生き物ですね
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