↓ Yahoo!ニュース(2012.10.24) より
巨匠デビッド・リンチ監督の傑作映画「エレファント・マン」(80年公開)のモデルに
なったジョセフ・メリック(1862~1890年)の病気の謎を解明するプロジェクトが
近く、メリックの遺骨を管理するロンドンのクイーン・メアリー大学医科歯科学部
でスタートする。
メリックは生前、自分の遺体を保存し病気の原因を解明してほしいと言い残して
おり、122年を経て現代医学がその遺言に挑む。
メリックは2歳のころ顔や体の一部が極端に膨張する謎の病気を発症。
感染症の一つである象皮病(ぞうひびょう)と考えられ家族からも見放されたが、
今では症状から象皮病でないことがわかっている。
最近は、骨や皮膚などが肥大化する「プロテウス症候群」の可能性が高まって
いるが原因特定のためには遺骨をDNA鑑定する必要があると判断されこの
ほど、メリックの親類子孫の許可を得た。
↓ 『英国医師会雑誌(British Medical Journal)』(1886) より(以下2点)
プロジェクトには同学部副学部長で遺伝医学が専門のリチャード・トレンバス教授
(56)を中心に、医師やミイラのDNA鑑定を専門とする考古学者ら計6人が参加
する。
数週間以内にメリックと同年代の別の遺骨(複数体)を使って、どうすれば遺骨の
損傷を抑えながら有効なDNA鑑定ができるかを確認し、年内に実際にメリックの
遺骨からDNAを採取する。
順調なら来年後半に病気の原因が解明される。
メリックのDNA鑑定は、異常部分と正常部分(左腕など)双方の骨からDNAを
採取して実施する。
トレンバス教授は、メリックの病気解明の意義について「同じような病気の患者
への治療に役立つ可能性があるし、病気の原因をはっきりさせることで、患者に
対する社会的偏見を抑えられる」としている。
メリックは顔や体が変形したため社会的偏見に苦しんだが、優しい気持ちを
失わず、最後の4年間は王立ロンドン病院で治療を受けながらボール紙で模型
作りをしたり劇場で演劇やオペラを楽しんだ。
政治家や王室メンバーがメリックを見舞った記録も残っている。
メリックの死後、王立ロンドン大学内に博物館(クイーン・メアリー大学医科歯科
学部管理)が設置され帽子や椅子などが保存されている。
遺骨(全体)は普段は展示されていない。
ようやく、という気もしますが、これでプロテウス症候群の研究が進めばいい
ですね・・・
参考記事:「『ザ!世界仰天ニュース SP』 巨大な足と闘う女性」 ジョゼフ・
ケアリー・メリック,プロテウス症候群
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