放送されました。
舞台は、一番近い大陸・オーストラリアからも1,500㎞、生態系的には
絶海の孤島、ニュージーランドです。
ムカシトカゲ・・・爬虫綱ムカシトカゲ目ムカシトカゲ科ムカシトカゲ属
ムカシトカゲ目の現生種は1属2種のみ。
トカゲと付くものの、骨格に於いて有鱗目のトカゲとは
一線を画す存在です。
「生きた化石」の代表で、ニュージーランドにのみ
生息。
絶滅危惧種。
全長:60㎝(頭胴長:30㎝程)、体重:1㎏
寿命は100年以上ともいわれます。
頭部に頭頂眼という「第3の眼」を持ちますが、どういう
役割か分かっていません。
↓ Wikipedia より(以下注釈の有るもの以外全て)
ツギホコウモリ・・・哺乳綱コウモリ(翼手)目ツギホコウモリ科
生活の大半を地上で過ごす、珍しいコウモリです。
ニュージーランドには、コウモリ以外、哺乳類がいま
せんでした。
最近、オーストラリアでもほぼ同一の種の「歩く
コウモリ」の化石が見付かっています。
↓ ナショナルジオグラフィック公式日本語サイト より
キタタテジマキーウィ・・・鳥綱キーウィ目キーウィ科キーウィ属
(目の位置には諸説有ります)
走鳥類という「飛べない鳥」の仲間で、
キーウィ属には5種が含まれます。
夜行性で、嗅覚が発達しており、地中の振動
や圧力の変化を敏感に感じ取り、ミミズなどを
食べます。
卵は自分の体重の4分の1(鳥の中では最大
比率)
カカポ(フクロウオウム)・・・鳥綱オウム目フクロウオウム科フクロウ
オウム属(下記のミヤマオウムとは近縁)
夜行性で、オウムの中で唯一飛べません
が、代わりに鋭い嗅覚、甘い香りの体臭を
持ちます。
体長:60㎝、体重:3㎏
空を飛んでエサを探すより、体に栄養を
貯める選択をしたのです。
ブーミングと呼ばれる雌へのアピールは、
ウシガエルの様な鳴き声で、1㎞以上に
響きます。
ジャイアントモア・・・鳥綱ダチョウ目モア科オオモア属
史上最大の鳥の一つでした。
乱獲に因り、1500年代には絶滅
モア類は「恐鳥」と呼ばれ、かつては6属10種以上
存在しました。
↓ 原画では、左の木の影にマオリ族が描かれているのですが、
ネイティブ感丸出しのせいか、トリミングされていますね
(;^ω^)
↓ 骨格標本。キーウィとダチョウとの比較
何故、ニュージーランドには哺乳類がいないのでしょうか?
2億年前、ゴンドワナ大陸が分裂、そこから更に、8,300万年前、インド
程の大きさのジーランディアが分裂しました。
ニュージーランドはジーランディアの一部でした。
現在、ニュージーランド全土から石灰石(サンゴの化石)が見付かって
おり、ここから 2,000万年前に海底に沈んでいた時期が有る、という
仮説が立てられています。
ジーランディアは、現在1,500mの海底に沈んでおり、ニュージーランド
は海上に表れた7%に過ぎません。
そこで、陸上の生物が一旦 絶滅したとしたら、鳥やコウモリなどが
中心となった説明はつきます。
植物などは「風に乗って」、ムカシトカゲなどは「海を漂流して」、鳥など
は「飛んで」やって来たのです。
では、「飛べない鳥」であるモアやキーウィは?
キーウィは、モアではなく、オーストラリアのエミューやヒクイドリに近縁
で、モアは南米のシギダチョウに近縁である事が分かっています。
キーウィの祖先が飛べなくなったのは、比較的最近で、それまでに
数百万年も有れば十分なので、飛んできてからニュージーランドで
進化したのだと考えられます。
但し、これらの説は十分証明された訳ではありません。
↓ 『オーストラリアの動物相(Australisk fauna)』 (1876–1899)
エミュー(右上)やヒクイドリ(中段左)などの他、キーウィ、カカポ、
ムカシトカゲが見えます。 ニュージーランドも含まれているの
でしょう。フクロオオカミがいるのが泣ける (´;ω;`)
ハイイロミズナギドリ・・・鳥綱ミズナギドリ目ミズナギドリ科ミズナギドリ
属
スネアーズペンギン・・・鳥綱ペンギン目ペンギン科
別名:ハシブトペンギン
ニュージーランド(スネアーズ諸島)固有種
森の中でヒナを育てます。
(天敵のアシカがいる海に仲間を突き落とした
ヤツ、ヒドイですね (;^ω^) )
ミヤマオウム・・・鳥綱オウム目オウム科ミヤマオウム属
別名:ケア、キア(鳴き声に由来)
ニュージーランド(南島)固有種
世界一賢い鳥とも云われます。
ハーストイーグル・・・鳥綱タカ目タカ科ハルパゴルニス属
別名:ハルパゴルニス・イーグル
モアさえも獲物にした史上最大の猛禽類。
翼開長:3m
ハーストイーグルの存在によって、キーウィや
カカポが夜行性になりました。
人間に因りモアが絶滅した為、エサが不足し、
時期を同じくして絶滅
人間がニュージーランドに上陸して数百年、人間あるいは人間が持ち
込んだネコ、イヌ、ネズミ、イタチの仲間によって、ホオダレムクドリ、
ワライフクロウ、ニュージーランドヒメヨシゴイ・・・50種を超える鳥たち
が絶滅しました。
卵、ヒナ、成鳥、各段階で獲物とされました。
存在しなかった肉食哺乳類に合わせて、生命の形を変えるには、
あまりにも時間がありませんでした。
キーウィやカカポは現在も、この脅威にさらされています。
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