『山の霊異記 赤いヤッケの男』 | パンデモニウム

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※何度かのブログフォーマット変更により改行ポイントがずれてしまい、ほとんどのページがガタガタになっております。
読み難くて申し訳ないです。

山男でもある作者・安曇潤平氏が山(やその近くの飲み屋(^_^;) )で聞き集め

たり、体験された実話系怪談26編です。

2008年2月に刊行されたものの文庫化です。

『厠の怪』 と同時発売でした。



山という場所は、現代においても、里山はともかく登山の対象となるような山は

人の世と隔絶しています。

夜を越えるとなると山小屋やテントなど、一線を画しつつも外の音が聞こえる

ような状況になりますし、霧が立ち込め雨雪が降れば、前を往く人との距離さえ

曖昧になります。

怪異が起こるには充分なお膳立てでしょう。 (((( ;°Д°))))



本書は「霊異記」と断っているので、人の霊に関わる話が殆どです。

怖い話ばかりでなく、中には涙を誘うような話もあります。


本書を読み、疑問が湧いたのですが、何故 深山に出るとされる妖怪は、人

又は人に近い姿のモノが多いのか??

勿論、いわゆる妖怪のビジュアルは江戸期や水木しげる御大によるところが大

な訳ですが・・・

例えば、牛鬼や多くの怪火、狐狸狢、蛇百足など・・・里山には出ても、深山だと

天狗や山姥、山童になります。

里山が境界だからでしょうか?

深山に頻繁に入るようになったのが、近代だからでしょうか?

京極夏彦氏荒俣宏氏小松和彦らなら即答してくれそうですねぇ (;^_^A



『幽 vol.9』で山の怪談が特集されており、安曇潤平氏も参加されてますので

コチラもおススメです。




赤いヤッケの男(文庫D) (MF文庫ダ・ヴィンチ)/安曇潤平
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幽 2008年 08月号 [雑誌]/著者不明
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