1日目の実況中継はこちら
実務科目
昨日の環境法の失敗を引きずらずに、1日目の夜から民事実務の特訓を始める。
伊藤塾の岡崎先生が、実務科目を制する者は、予備試験を制するといっていたので、ここが勝負どころだと考えて、2日目の朝までひたすら民事実務の特訓をする。ちなみに夜はちゃんと寝て、早起きして学習しています。
【民事実務】
- 訴訟物とか請求の趣旨はちゃんと書けたと思う。
- ちなみに、訴訟物は「請負契約に基づく報酬支払請求権及び履行遅滞に基づく損害賠償請求権で、その個数は2個」と解答。
- 請求を理由づける事実をフルスケールで書かせるのかと、一応、上記の訴訟物に分けて解答を作成。
- 設問4で民事執行の問題が出題。本番ではじめて民事執行の条文を開く。おそらく民事執行法の34条1項の枠内でで論じるのではないかと考えて、論じる。私は強制執行の不許は許されないという方向で論述を行う。
- 模試や答練での評価が芳しくない割には、答案として守れたと思う。
- 供述の信用性は、B供述が各証拠と整合するという方向で論述。
- 証明予定事実記載書を追加で求めさせたのは、AB間の共謀という争点が明らかになったので、その点について、さらに争点を整理するためと解答。
- 接見禁止については、「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」(刑訴法81条)について、Aが第三者にはたらきかけて、証人であるBと口裏をあわせたり、Bを威迫するなどの証拠隠滅のおそれがあることを中心に論述。なお、Bの証人尋問が実施された後は、その罪証隠滅のおそれがないとした。
- 設問4(1)は、弁護人が証人Bの証言を弾劾するための、自己矛盾供述としての「証拠」(刑訴法328条)として提出したと説明。
- 設問4(2)はわからないが、なんとか頭をひねる。現場思考の問題。他の受験生も準備していないので、自分なりに筋の通った論述をする。
民事系
もう最後の民事系か・・・。これまで準備してきた成果を出すのみ。この民事系の出来不出来で、論文突破の勝敗を決すると考えてのぞむ。正直、この2日間の試験はあっという間だった。
【民法】
- 設問1(1)は、βで塗装をすることが「契約の内容に不適合しない」かどうかで検討。
- 設問1(2)は、請負を依頼した依頼者が、請負人の修補を拒んで、損害賠償請求をできるかという問題提起で論証。
- 設問2は、時効取得の「所有の意思をもって」(民法162条1項)の部分で他主占有から自主占有への転換が認められるかと論述する。
- 一見解答筋にそっているようだが、設問1(1)は契約不適合の請求の根拠を民法637条1項としてしまう。要するに契約不適合の請求の根拠がどこにあるのかわからなかった。後で友人に聞いたら売買の規定の契約不適合を使うのだと説明され、なるほどと関心。ただ、短答を解いているだけでは、このような条文を意識しないため、改めて論文マスターレベルの民法の問題はちゃんと解くべきだと感じた。
- 去年ミラクルでA評価だった科目。模試や答練の成績もそんなに悪くない。
- 非公開会社で監査役設置会社か・・・。
- 設問1は、①Aらに対する任務懈怠責任の追求、②株主に対する利益供与で答案を展開。
- 設問2は、当初解答筋が見えなかったが、おそらくFが会社法867条1項の「役員」にあたるかということが聞かれていると想定。なぜなら、親会社の監査役は子会社の取締役になることができないため(会社法335条2項)。試験本番でこの条文をひきあて、Fが子会社の取締役に就任した場合に、自動的に親会社である甲社の監査役を失職するかという問題提起をして論じた。要するに、自動的に失職するなら、Fは「役員」(867条1項)にあたらないことから、本件提訴請求が不適法となるから。
- これは事前に準備していたわけではなく、完全な現場思考。本試験レベルでこのような現場思考をするのは、パズルを解いているような感覚になり、とても楽しい。
- 民訴は極端な苦手科目。そのため、伊藤塾の論文マスターでも優先的に対策を行った。
- 本田先生の論文マスターの解説及び赤羽根先生の答練の解説などから、以下のように典型的な問題なら、ある程度の論述ができるようになった。
- 設問1の①は明文なき任意的訴訟担当、設問1の②は固有必要的共同訴訟で論じる。下線部の事情を考慮すると、①及び②の双方とも認められないのではないかと論述した。
- 設問2の㋐は二重起訴禁止(民訴法142条)で趣旨から論じる。いわゆる、判決の矛盾抵触と被告応訴の煩で論証を展開する。ちなみに、結論は二重起訴禁止にふれると解答。併合したらどうなの・・・。ともよぎったが、私の今のレベルだとそこまで論述できないので、以上のように二重起訴禁止の抵触すると結論づけた。
- 設問2の㋑は、既判力の客観的範囲、主観的範囲、時的範囲を論述。ここまではきれいに書いて、あとは、本件訴訟と本件別訴の訴訟物が異なるっため、前訴判決の既判力は後訴に抵触しないとまとめた。
全体の感想とこれから予備試験を目指す方のために
今回の試験は、仕事を休んで受験することとなったため、職場の方にもいろいろと迷惑をかけたと思います。ただ、無事試験を受験できて本当によかったです。
自分としては体調が万全の中で受験できたので、おそらくこれ以上の答案は作成できないという状態で答案を仕上げることができました。今年の試験がだめでも一切悔いはありません。それくらい詰めて本試験までのぞむことができました。
これから予備試験を目指す方へのアドバイスとして
論文対策は短答式試験が終わるまでに、ほぼ完成しておく必要があるということです。大学の学部生なら来年は夏休みがあるため、十分に時間が取れると思います。しかし、社会人受験生の場合、短答後に法律基本科目に加えて、実務科目及び選択科目の対策をすることは想像以上にきついものがあります。
そのため、短答式試験までに、法律基本科目は当然として実務科目や選択科目も答案を作成できるレベルまでもっていくことが必要だと考えます。
加えて、大学の学部生やロー生へのアドバイスとして
たまに、自分は法科大学院に行くから予備試験を受けませんとか、どうせ来年法科大学院を卒業するので予備試験を受験しませんという人がいます。私は、これはおすすめしません。
なぜなら、予備試験は、司法試験の予行演習に最も最適な訓練だからです。この2日間の過ごし方や試験までの学習スケジュールなどは、すべて本番の司法試験にも生きるものだと考えています。
そのため、上記のような理由で受け控えをするのではなく、ちゃんと予備試験を受験するべきだと考えます。試験まで締め切り効果をもって効率のいい学習ができます。また、私自身も今回の本試験で、成長をしたと実感しています。要するに、試験本番で問題を解く中でも経験値があがるということです。商法の設問2などは完全な現場思考ですが、こういうことができる経験というのは、なかなかないからです。