職場に復帰してから4ヶ月がたった。
冬を越して、春の繁忙期を迎える。当然昨年と同じように
残業や早出で勤務をすることが日常になる。
ここを乗り切れば、また落ち着いた季節を迎えることになるが、ここでついに悪魔の洗礼が発生。
やはり、自分の体は己が思うよりも「良くはなってない」ということだ。
普通の生活はできるようになった。
なんとかダッシュもできるようになった。
車の運転もできる。
しかし最後の最後で微妙な自分の感覚とのずれや、思ったよりも戻っていない体力との違いにがっかりすることが起こっているのだ。
どう考えても、昨年の同時期よりも体の疲れがとれない。
というより、一晩寝ると、さらに疲れが増大している感覚。
去年より一つ年をとっているのだから、当然といえば当然であるが、それ以上に、目だったり、肩だったり、首だったり、倒れてからすぐに異常を発することが多くなった部位の痛みや異常が半端ない。
目薬、効かない。ストレッチ、効かない。体に正直に、動物性タンパク質を摂取する。これもダメ。
これはまずいぞ、と思い始めたら、一気に体にガタがきてしまった。
休みの日も必死に野菜をとって、体をコントロールしたり、気分転換に出かけようとするのだが、体が動かない。気持ち悪さがずっと続いている。
精神的な問題ではなくて、体が実際に動かないのだ。
必死に洗濯を終えた休みにぼーっと思う。
「あーこれは無理かも」
仕事で怒られたり、失敗をしたり。そんな生活で、疲れてしまうことは今までの人生で何百回とあった(笑)しかし今回ばかりは様子が違う。
少しでも自分らしく生きるため。長生きをするための判断が求められている。
感情とか無しに、フラットに物事を考えなければならない。
自分はどうしたいのか、ということ。本当にこのままで良いのか、ということ。
どんな仕事に就いたとしても、このようなしんどい状況というのは訪れて来てしまうものだと思っている。そんなに世の中甘くはないのだから。
しかし今の仕事での労働に自分の体は「付いていけなくなった」。
自分が頑張れば良い問題ではなくなってしまったのだ。
保険として、当然いろいろなことを考えた。
「倒れたらどうしようかな」
「考えてても始まらないよな」
暴飲暴食を抑え、無理をしないこと。
それくらいしか導き出すことはできなかった。
体の不調が決定的になると、仕事に影響を与え始めた。
集中できてないので事務処理のミスが多い。やり忘れが多い。置き忘れも多い。
配置転換を希望しようにも、基本的に小売業はカラダが資本。どの部門で働いても同じような状況になってしまうことは目に見えている。
正直、冬の間は「いけるかも」という思いで勤務をしていた。
思い切った成績は残せなくても、給料が上がらなくても、自分一人とりあえず生きていけるだけの生活はしていけるかもしれない。と。
とんだ思い上がりだった。
今、頭の中はパニックになりつつある。
まだ繁忙期が続くということ。
本当に今の体の状態で大丈夫なのかということ。
このまま行ったら、夏にまた倒れて、今度こそそのまま亡くなってしまうかもしれない。それが怖くて仕方ない。
でも本当は気づいてもいる。今の自分のパフォーマンスに満足できていないこと。
人生まだ終わりたくないと思っていること。
もっと昇進して良い暮らしがしたいと思っていること。
社会的に、成功したいと思っていること。
でも今の環境ではそのどれもがきっとできない。
会社で発揮できるパフォーマンスに限界があるからだ。
その根本には全て「自分のカラダの限界」がある。
悪態をついてしまう形になってしまうけど、やっぱり本音では思うところがある。
自分の体の不具合を本当の意味で理解してくれる人はいない。
今の会社に自分の体の状態やスキルで今以上に活躍できる部署はない。
今の部署にいてもダラダラ所属することはできる。しかし評価であったり、もっとできるという自分の意思と体の現実の差異にどうしようもない隔たりがあること。
それを覚悟で社会復帰して来たけど、ついに壁にぶち当たってしまった、ということ。
入院中の感覚から、これ以上頑張ったら「やばいぞ」というところまで来ていること。
置かれている環境や、精神的な問題なのであるなら、考え方を変えることで対応もできるが、今の状況は肉体的な問題であること。
今年乗り超えたとしても、年々歳をとって体力は減っていく。病気になってしまったことで、普通の人よりも体力の衰えは顕著に進んでしまうことが念頭にあるべきだということ。
正直、今の自分の体で雇ってくれるような会社が他にあるのか、とも思う。
もっと貪欲に今の会社でのポジションを模索していくべきなのかな、とも思う。
考えた。しかし今の仕事で結果を残すことでしか、次がない。
今の自分の状態として、それは「不可能」である。
側から見たらきっと健康体で、「少しくらい無理をするくらいじゃないと痩せないぞ」と思われる見た目である。
実は真っ直ぐ歩くことが苦手だったり、急に振り向くことが怖かったり、すぐ目が疲れて顔面の神経が強張ってしまうこともしょっちゅうである。そうなると「イテテ・・・」と他のことができなくなるほどの不快感に襲われることも周りの人には言っているけど、きっと忘れられている。
今でも毎日薬を5錠も飲んで、血圧を測って、肝臓の働きを見るため、血液検査も定期的にされている。
「なんで自分だけこうなのかな」なんて何千回思っただろう。
体は不具合ばっかでこの先どうやって生きていくのだろうかと。
でも受け入れていくしかない以上、もう自分のことを過信できない。
「あとちょっと」のふんばりがどうしようもなく恐怖なこともきっと理解されない。
今の現状に上司は「なんでもっとこいつはできないのかな。もっと頑張ればいいのに」という判断である。自分が逆の立場ならそうだ。
人生って長いようで短い。短いようで少しだけ、長い。