大学入学、親友との出会い、そして再び英語の呪縛。 | 高校中退者が塾長になった話。

高校中退者が塾長になった話。

都内の私立高校を半年で中退し、その後10年のブランクを経て、高校卒業程度認定試験を取得。大学に進学。紆余曲折あり、塾長になった話。

本編の続き。


高卒認定試験と大学のAO入試に同時に合格し、

私は25歳の春、大学生となった。


私の入学した大学は、

とてもじゃないが偏差値を

他人に言えない大学であった。

(だからと言って、

「Fラン」呼ばわりするのはどうかと思うし、

「うちの大学、Fランwww」と言ってる奴は

大抵、ロクな大学生活を送っていない。)


だが、人は皆、良い人たちだった。


私は入学直前に悩んだ。

自分の年齢を言うべきか否か。


入学した大学は、ほとんどが現役生。

浪人してまで入る人はほとんどおらず、

何かしら事情があっても、+1〜2歳が大半。


そんな中、現役生の+8歳の私は悩んでいた。


私は6個下の妹がいるが、

妹は老け顔で、私は童顔のため、

よく姉妹逆に思われることが多かった。

だから、言わずに大学生活を送ることも

できた気がする。


だが、私の性格上、

隠し事をして深い人付き合いするのは不可能。


私は夢を追うと同時に、

失った青春時代を少しでも取り戻したい

淡い期待を抱いていた。


今の時代は、

SNSで入学前に大学の人と繋がることができる。


私は年齢を公表して、

入学前にSNSを通じて友達を作った。


SNSを通じた友達作りは順調だった。


だが、実際に会った時に

受け入れてもらえるだろうか。

そんな心配が頭をよぎった。


話が合うか、話が続くか、

そもそも相手にしてもらえるか、

不安で仕方なかった。


高卒認定の予備校時代にクラスメイトだった

10個下の女の子は、

「私とこれだけ話せるなら大丈夫!」

と背中を押してくれた。

(当時、15歳だった彼女は、大学への入学資格を持てず、

その後3年間の受験勉強をすることになったため、

私は一足早く大学生となった。)


ドキドキの入学式。

大学の体育館に入り、手渡されたのは、

保護者用パンフレット


さすがに18歳の子どもいないわ!

と思ったが、

スーツを着ると歳の差は明白だった。


皆、着慣れないスーツを着て参列する中、

私だけが社会人経験がある。


いくら童顔とは言え、着慣れたスーツ姿は

誤魔化しが効かない。


気を取り直し、

自由席であった会場の端の席に

私はわざと1つ空けて座った。


こうすれば、両隣に人が座る。

左右どちらかに座った子と仲良くなろう。


そう思い、その席を選んだ。


私の思惑通り、1つ空けた席には、

かわいらしい女の子が座った。


私は人材派遣会社で

2年間の片想いをしていた頃に

培ったコミュ力をフル活用し、

ここぞとばかりに話しかけた。

連絡先を交換し、その場を後にした。


SNSで連絡を取り合っていた友達と

王道の入学式写真を撮り、

私の大学生活は始まった。


オリエンテーションが続く日々。

私は1年生がランダムで入る

自分のゼミの先生を見て、驚いた。

アメリカ人である。

それも、絵に描いたような

太ったアメリカ人男性。

ヒゲを蓄え、太った姿から、

サンタクロースかと思った。


そして、ゼミのメンバーとの顔合わせ。

入学式で隣に座ったかわいらしい女の子が

偶然同じゼミになった。


そのゼミは、留学生が集まるゼミであり、

偶然私はそこに入れられた。


親しくもない男子に

「お前はイロモノだから

あそこのゼミに入れられたんだ。」

と心ない一言を言われたが、

放っておいた。


私だけならまだしも、

入学式で隣に座った子は、

決してイロモノではなかったからだ。


大学生活が始まった時、

学食で突然知らない女の子に声をかけられた。


SNSで繋がっていたものの、

ほとんどやり取りをしたことがない子だった。

とても派手な見た目をしている子だった。

不思議な子だなぁと思った。


「ずっと気になってたの!」

そう言われ、あっという間に連絡先を交換した。


何色とも言えないグラデーションの派手髪で

お洒落な服を着たこのギャルとは、

後に親友となる。


様々なガイダンスが続く中、

私は自分の夢を叶えるには

何をすべきか考えていた。


あまり考えずに派手髪の子と

教職のガイダンスに行った。


この大学では、

社会、英語、国語の教員免許が取れると

そこで知った。


私は何かやってみようと思ったが、

社会は絶対にない。


そしたら国語だろうか。

そんなことをぼんやり考えていたが、

専攻は心理学。

臨床心理士の資格を取るためには、

大学院に行く必要があり、

大学院に行くためには、英語が必要だと

学科のガイダンスで聞いた。


当時、カウンセラーには興味がなかったが、

カウンセリングをできる先生になるのも

悪くないと思い、

大嫌いになっていた英語の教職課程

取ることにした。


派手髪の子は、英語が好きらしく、

一緒に頑張ることになった。


こうして私は、

心理学、教職、英語の三足のワラジを履いて

大学生活を送ることになった。